今回のお題は「あなたに届けたい」。
最後に誰かにお届け物をしたの、何年前だったっけと行方不明な物書きが、フィクションでファンタジーなおはなしを、ひとつ、お届けします。
「ここ」ではないどこか、別の世界で、
「世界多様性機構」なる厨二ふぁんたじー組織が
「世界線管理局」なる厨二ふぁんたじー組織を
バチクソに、ドチャクソに敵視しておりまして、
というのも、管理局は機構の活動を、法律と世界の秩序とによって、何度も妨害してくるのでした。
世界多様性機構の活動内容としては、
滅びそうな世界の住民を別のまだ生きている世界に密航させたり定着させたり、
発展途上の世界の文明に別の先進世界の魔法や技術を密輸して発展させたり。
東京には機構の支援拠点、通称「領事館」を建てて、都内、果ては日本中、理想としては地球全域を、滅亡世界ための難民シェルターにしようと、
計画をたてて、実行しておったのでした。
勿論そんなこと、許されるハズもないワケでして。
去年の夏、だいたい過去投稿分、7月27日頃から8月8日頃のおはなしで、
東京に根を張っておった「領事館」の連中は、
世界線管理局の法務部局員と、都内某所の稲荷子狐、それから都内在住の日本人2名の、
チカラを合わせた活躍によって、
ザンネン、親組織の「世界多様性機構」からバッサリ、切り離されてしまったのでした。
親組織に戻りたくてもゲートが不通!
親組織との通信を回復したくても回線が途絶!
なにより親組織から活動資金や予算が来ない!
イチバン困るのは、
東京のスギ花粉とスギ花粉症で、
東京に赴任してきた別世界出身の領事館長の
鼻と、目と、喉とかゆみが酷い!!
「急げ!今月中に完了させるんだ!」
故郷の世界に花粉症が存在しなかった領事館館長、
領事館の窓という窓を目張りしながら言いました。
「やつらは来月にはここに来る。
隙間という隙間、穴という穴、すべて確認しろ!」
窓の外では杉の林が、サラサラ、たわわ。
ツボミをつけて膨らんで、風に揺られてフルフル揺れて、悲惨もとい飛散の時を待っています。
サラサラたわわ、サラサラたわわ。
杉林は黄色の花粉を、あなたに届けたいのです
(酷いお題回収)
「空気清浄機のメンテナンス、終わりました」
館長に報告に来たのは、別世界出身の多様性機構構成員。ビジネスネームをアスナロといいます。
「こっちも、エアコン掃除終わりましたー」
アスナロに続いて報告に来たのも、別世界出身の機構構成員。ビジネスネームをヒバといいます。
どちらも花粉症なんて持っておらぬので、
館長の苦しみなど、見た目でしか分からんのです。
ぐすぐすハクション、ぐすぐすハクション!
館長は自分の苦しみの、ほんの半分でも良いから部下の2人に、分かってほしいとは思っとるのです。
ぐすぐすハクション、ぐすぐすハクション!
館長は自分の孤独を、あなたに届けたいのです。
「よし!」
スギ花粉症持ちの館長が、領事館内を最終点検して、1月恒例の大行事は終了。
親組織からの支援が断ち切られた2月を、迎え撃つ心の準備に入りましたとさ。
1/31/2026, 5:04:30 AM