あの人のお気に入りのフォルダに入れられて、それきり顧みられることもなく、忘れ去られてしまった女。
お気に入りなどにならなければ良かったのだ。
その頃の彼女はまだ未熟で、他人を翻弄する術を持ち得なかった。
良く言えば純粋。
悪く言えば愚鈍。
もっと狡猾に立ち回るべきだったのだろう。
だけどもう遅い。
大人しく待っている間に時は過ぎ、しなやかな若さは失われて行く。
大分経ってからあの人はフォルダの存在を思い出す。でももうこれには興味がない。開かれることなくフォルダは削除される。ゴミ箱にポイ。
あの人は、さあ次!次の新しいお気に入りを作る。
世の中はこんな風に回っていくのですよ。
2/17/2023, 10:48:21 AM