冬至 乃明

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私が誰か知りたいのなら
汽車に乗りましょう
ゆけゆけ汽車よ 何処までも
知らない田舎の夜桜
知ってる都会のよそよそしさ

私はただ眺めている
走りゆく汽車の
窓に私の顔は
ぼんやり浮かんで
それがもう誰か
誰もわかりゃしない

私は私は
何かにぶつかりたくなくて
りゅうりゅうと風を聴きながら
方向もなく
道もなく
闇夜と昼間の幻想をすり抜けていく

雪をかぶった山々は
あの白山に負けている

高慢さを感じる人々は
あの故郷の気性に似合わない

旅路の果てに
病に倒れ
一杯の野水を求める間に
命は枯れる

プラットフォームに
旅人は眠っている

1/31/2024, 10:48:50 AM