[さよならは言わないで]
僕のお兄ちゃんは今日事故にあった
今は病院にいて全身管に繋がれている
意識はあるけど喋らないし動かない
まるで植物になっちゃったみたいに…
僕がお兄ちゃんの手を握りしめて泣いていたらお母さんが入ってきた
「○○ちょっと来なさい」
お母さんは冷静を装いながらも目は真っ赤に腫れて泣くのを我慢していた
それを見て僕は察してしまった
病室を出た廊下でお母さんから告げられた
「お兄ちゃんはもう明日は迎えられないみたい…」
それを聞いて僕は泣き崩れてしまった
その日はそれからずっとお兄ちゃんの手を握りしめて泣いていた
ずっと動かないお兄ちゃんだったけど最後の10分だけは少し回復して僕の方を見て一緒に話してくれた
「泣くなよ○○笑」
「すぐ良くなるって笑」
「治ったらまた一緒にサッカーしような!」
お兄ちゃんは普通に話していた
僕はお母さんの言ってたことは間違いだと思った
明日もお兄ちゃんは生きていてこのまま退院して前みたいに一緒にサッカーが出来ると思った
でも違った
僕は話してるうちに安心感と泣き疲れたので寝てしまった
意識が遠のく中でお兄ちゃんは言った
「じゃあな」
次の日僕は手を握っている冷たさで起きた
12/3/2022, 2:42:30 PM