okowa

Open App

『愛を叫ぶ。』

 叫び続けた愛が、リフレインして頭の中に木霊する。
 足りなかったのか、届かなかったのか。
 自分なりの愛情をカタチにしてきたつもりだった。
 あらゆる行為、あらゆる言葉の中に。愛を込めた。
 時にはそのまま言葉にもした。
 「僕もだよ」
 その言葉は嘘だったのか。
 同じだけの、あるいはそれ以上の愛を受け取っていると思っていた。
 あるいは、返しきれなかったのが悪いのか。

 ふと、記憶の中に残された言葉が蘇る。
「一番幸せなときに逝きたいな」

 見つかってしまった答えに、声にならない叫びをあげた。

5/11/2023, 11:18:44 AM