やまんば

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 小さい頃は漠然と、完璧になると思っていた。嫌な事はしっかりと嫌と言えて、ダメな事は言葉を選びながら部下に注意できるような、完璧な大人になれると信じていた。というか、大人って存在が完璧だと思ってた。
 けれど、一年また一年と年を重ねる度に、心が変わっていない事に気付いていく。ただただ皮膚だけが細胞分裂を繰り返して体だけがデカくなる。
 完璧を夢見て生きていたけれど、心も脳みそも体も完璧には程遠い。私が大人になるために落とした夢の破片を、後生大事に小さな頃の私が拾い集めてくる。
 私が諦めた夢を、小さい私が何度も訴えてくる。
 うるさいよ、私はもう、大人になったんだよ。
 夢は、諦めないといけない時がくるんだよ。

/夢の破片

11/21/2025, 10:34:25 AM