#物憂つげな空
今日も頭の上に広がっているのはどんよりとした黒い雲で覆われた空
今にも雨が降り出しそうだ
でも私は傘を片手に人通りの少ない道を走っていた
その日はバレンタインデーだった
好きな人の家へ手作りのチョコを届けるためその人の家へ急いでいた
家についてインターフォンを鳴らすとその子が出てきて私はとっさにチョコを差し出してお辞儀をした
すごく爽やかな笑顔を見せた彼はとても嬉しそうだった
その笑顔で明日も頑張れそうな気がしたほどだ
また走り出そうとふと空を見上げると頭上には彼のような爽やかで深く青い空が広がっていた
よしっ。明日も頑張らなきゃな
そして私は明日に向かって走り出した
#太陽のような
親友の笑顔はとても素朴な笑顔だ。
みんなにとって、それは普通の笑顔でも、私にとっては太陽みたいだ。
明るくて輝いてて、その子の周りだけすごく暖かく感じる。
冷たい風がふく廊下はどこに行っても寒いはずなのに。
私は笑えない。
笑いたくても笑えないときがある。
仲のいい友達や親友の前では普通に笑っていられるのに、「ただのクラスメイト」という肩書きのある人にはそんなふうに接することができない。
なぜだろう…。
笑えたとしても、心の底から笑えているだろうか?
本当におもしろい、楽しい、と感じているだろうか?
わたしは…
どうしたら
あなたみたいに
笑えますか…?
#同情
同情されるのって正直ウザい。
何?自分が目上に立ってると思ってるわけ?
そういうのいい。どうでもいい。
同情は、見かけは何の変哲もない言葉かもしれないけど、中身を覗けばその見た目は一変する。
「力になりたい。」「助けになりたい。」
「私も何かできることがあれば…。」
そんな言葉いらない。
助けになる?口先だけならなんだって言えるから人間はそうやって同情する。
助けになりたい?ふざけないでよ。
どうせなんにもできないまま終わるやつが助けになりたいだなんて冗談でも言わないで。
だから嫌いなんだよ…どいつもこいつも…。
話を聞いてほしいだけ、同情してほしいなんて言ってない。
いっつも友達になってるような顔して隣に並ばないで。
あんたなんか…。
だいっきらい。
#誰よりも
あなたはいつも、どんなときでも私のそばにいてくれた。
助けを求める前に、私のところへ飛んできてくれる。
私の大事な人。
いつでも私のそばにいて、でもそばにいるのに離れている気がする。
あなたの存在は近いけれどなぜか遠い。
まだ私のそばにいて。
あなたの太陽のような笑顔をもう一度見せて。
でもあなたはもういない。
いつしかあなたは私の知らないうちにどこかへ行ってしまった。
あなたはどこ?
どこにいるの?
離れないで。そばにいて…。