あの子の「最期の手紙」を見つけたの
何年も前の遠い昔
すごく懐かしい
あの子はいつも虐められていて
だけど辛そうな顔はしなかったの
ずっと我慢してきたんだよね
ずっと無理してきたんだよね
でも私には1番優しくしてくれて
でもね
あの子にも限界があるみたい
目の前で飛び降りちゃった
頑張って引き留めようとしたけど
無理だった 詰んでいたんだ
あの子の靴の中に「最期の手紙」を見つけたの
でもその時は読めなかった
だから今、覚悟を決めて読む
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嗚呼、会いたいよあの子に
遠い昔に戻りたい
空を見上げると
黒の美しい髪
長いまつ毛
綺麗な瞳
白のワンピース
華奢な体
雪のように白い肌
あの子を思い出すの
今にも消えてしまいそうな儚い記憶
また会いたいってずっと願うの
もう会えないけど
〜もう終わりにしよう〜
君が大好き
にやにやとしてしまうほど大好きだった
あなたのことを愛していた、でも
きのう事件が起きた
たんたんと料理をこなす私を彼は刺した
んお”ッッッッ!?っと声を出して倒れてしまったの
ダメやめてって言おうとしたのだけどそこで
よめいは尽きた
なんでこんなことを……?
¦
〜読み方によって二つ意味のできる遺書〜
おちたの
夜景が綺麗なビルで
貴方と手を取り合った瞬間
しあわせだった
死ぬまでずっと一緒
誓ったの
告白の時にね
私は芸術
風景画を描くのが好きだった
少し描くだけで
皆に褒められるから
音楽も好きだった
絶対音感だから
少しピアノを弾くだけで
皆に褒められるから
優越感だった
あの子は勉強
私は五教科が苦手だった
頑張って勉強しても
全然できないんだもん
あの子が羨ましかった
少し授業を聞くだけで
すぐにできちゃうんだもん
みんなに褒められてるんだもん
劣等感だった