熱い
熱くて何度も寝返りし
掛けていた布団をはだける
寒い
寒くて何度も布団の中に
肩まで入れてちぢこまる
熱いと寒いを眠れないほど繰り返し
この流行りのウィルスと闘う自分
ーーー眠れないほどーーー
少し暖かくなり始めていた土曜日の午後
片付けを終えてダイニングテーブルで
うたた寝をしていた。
取り込んだ毛布を抱きかかえ
春のお日様の匂いを気持ち良く感じていた。
あれ、帰って来たかな?
うちの自動車のエンジン音がする。
ほら、ガシャンと玄関ドアの音がする。
今、そこの扉が開いたら
顔を出すんだわ!
早く開けて、と待っていた。
もう少しで会えるところだったのに
どうしても扉が開かない。
うたた寝の毛布は少し涙で濡れていた。
あの人は
もうそのドアを開けない。
夢の中でもいい
あの人に会わせて…
ーーー夢と現実ーーー
かの子はね
帰るのがイヤなの。
かの子はね
まだ遊びたいの。
ママはまだ
お迎えに来なくても良かったのに。
寒くないもん。
まだまだみんなと遊ぶの。
「でもね、かのちゃん。トシくんもナナコちゃんも帰るよほら。」
もうーーーみんなぁーーー。
もうすぐ卒園式なんだよ!
まだ遊びたいでしょ!
サヨナラなんて言わないで!!
ーーーさよならは言わないでーーー
『光と闇の狭間で』
少ししか違いの無い
あの人と私。
やりたくない事はやりません。
と言うのが
あの人。
やりたくないけどやらなければいけませんか?
と聞くのが
私。
イイ感じに盛り上がってるので
ここでお願いします!
と言われバトンを渡されてきても
では、ぶち壊しにしてください。
と帰ってしまうのが
あの人。
えっ、下手くそですが
それでは…
と、バトンを受け取るのが
私。
そういうふうに生きて来た
天と地。
光り輝く
あの人。
大きな悩みを抱えて
闇の中をウロウロする
私。
少ししか違わない
その狭間。
『距離』
顔を近づけてベットに寝っ転がる
コイツのフガフガっていう鼻息
癒やされつつ目を閉じて間もなく
ゴソゴソと顔と背中の位置を逆さにする
私はフガフガが聞きたくて
また位置を戻す
何十秒かは堪えられるらしいが
やっぱり背中を向けられる
顔と顔の距離が近いのはイヤなんだな
そのクセ
足が好きらしく
寝相の酷い私が寝返りをうつ度
ピッタリふとももあたりに身体付けてくる
私に押しつぶされなければいいのだけれど…。
いつも一緒に眠られて
私は幸せでしたよ
ありがとう私のわんこ
温かい距離が懐かしいよ