落ちていく
「落ちていく」。落ちていく。
周りには何も見えなくて、ただ自分にかかる力だけが、私が落ちていることを告げている。
この力に身を委ねたら、私は何処に行くのだろう。
そう思いながらも、この力には抗えない。
私の前に、引き上げるその腕が、力強いその掌が。
私は、その手を取っていいものか?
巻き込むことになりはしないか?この大切な存在を。
私の逡巡をものともせず、救ってくれるのは、貴方だけだ。
嬉しく思う私の視界が、涙でぼやける。
一度掴んだら、二度と離せない。
覚悟してほしい。私を助けるという、その意味を。
どうすればいいの?
彼と別れてから、随分時が過ぎた。
連絡も取らなくなって、寝る前に涙ぐむことが無くなった頃に、また彼から連絡がある。
もう大丈夫だろうと思うのに、彼とまた話したら、想いがぶり返すような気もする。
私は、「どうすればいいの」?
宝物
決して気づいていないだろう。
君の笑顔が私の宝物。
キャンドル
キャンドルというと、誕生日に、ケーキの上に、年齢分立てるというのを思い出します。
それ以外に、キャンドルを使う機会など、ございますか?
そういえば、今日は、貴方様の誕生日でしたね。
もちろん、キャンドルもご用意しておりますよ。
キャンドルを立て、火をつけ、部屋の灯りも消しましょう。
お歌を歌い終わったら、キャンドルの火を、一息で吹き消してくださいまし。
部屋の灯りが付いた後、何がお見えになっても、心の中に留めてくださいね。口にしたら…どうなるかご存知でしょう。
たくさんの思い出
今の自分を支えてくれる、「たくさんの思い出」。
自分は、今を生きるために、それらを手放した。
自分を形作ったものなのに、全くといって、頭に残っていなくて。
写真なり、日記なりで、何かしら残っていないと、思い出すことすらできなくて。
これはもう思い出とは、言えないのかもしれない。
それでもいい。
私は君の側にいる。
君のたくさんの思い出を作ろう。
私の代わりに、覚えていてほしい。