まぽわぽん

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3/8/2026, 11:50:18 PM

 ピンポーン♪
 インターフォンが鳴り、ガクガクと包丁を握ったまま
 玄関に近付く

「ど、どちら様でしょう……」

『訪問販売でございます。
皆様の"感情"を高額で買取る業者でして、感情一つにつき
1500万円で取引させて頂いてます」

「うちには必要ありせん」

『おやおや。悪くはありませんよ?
自殺や他殺の防止、予防にもなる商品でございます故』


 見透かされた?
 するりと力の抜けた手から包丁が床に落ちていく


『感情の移植手術を希望される方が多いんですよね、
こんな時代ですから』


#お金より大事なもの

3/6/2026, 10:20:05 PM

「絆、ねぇ……」

 両親はこの名前をどんな気持ちで僕に付けたやら
 親権争いを終えて離婚届に判を押す様子に
 はぁー、とため息ひとつ


#絆

3/5/2026, 12:47:41 PM

「たまには、ね」

 自分を甘やかす魔法を掛けてBARに寄り道


「お嬢さん、一杯だけご一緒してもいいかい?」

 素敵な王子様に出会えて
 夢心地になって


 魔法が解けて、午前0時

(待って待って、誰よ、この人!!!)

 知らない男と裸でベッドを共にしている現実に
 唖然呆然、おまけに愕然


#たまには

3/5/2026, 4:23:34 AM

 大好きな君に「大好き」って言えないのは
 なんでだろう

 髪にポンッて手を置いただけで……


「またチビとかデブとか揶揄うつもりでしょー!」

「ふんっ」


 ほらね
 顔、真っ赤にしてスゲェ可愛いのに
 憎まれ口にあっかんべーで返しちゃう


#大好きな君に

3/2/2026, 2:40:22 PM

(間違いない。オレには見えたんだ)

 荒波に揺れる船上で航海士は望遠鏡をギュッと掴んだ


「せーんちょ、脂汗も程々にして下さいよー。
ギトギトネバネバ、うはぁ、加齢臭も混ざって。あーあ」

「うっさいわ! 脂汗も出やしねーよ。
遭難で暗礁地帯で沈没ルートまっしぐら、右も左も絶望で
全部干涸びてるぜ」

「航路が見えた、と言ったら潤います?」

「なんだと?」

「たった1つの希望 (北極星) が
オレ達にウィンクしてましてね……。
無視するには惜しいくらいのとびきりの美女なもんで、
身綺麗にしませんと秒でフラれます」

「は、ははっ! それを早く言え航海士! して方向は?」


 航海士は迷いなく右を差す


「涎が出らぁ。美女を抱きに行くぞ、面舵いっぱーい!」



#たった1つの希望

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