バッチーン!
彼氏と手を繋ごうとしたときに
激しい静電気
「あー。俺はもしや
君の体質に嫌われてるのか!?」
苦笑いした顔を見てから
セーターを着ることはなくなった
結婚して初めてのクリスマス
彼氏から旦那さんになった彼からのプレゼントは
ふわふわした白のセーターだった
「君の体質に受け入れられるための試練?
よく似合うから着て欲しい」
嬉しいよ…
言葉とキスが寒い冬を暖かくする
#セーター
彼の肩に寄り掛かりたくて
好きだなぁと思う心地良さを持続したくて
電車で寝たふりをした
ガタンゴトン…ガタンゴトン…
"寝たふり"をしていたつもりなのに
電車の揺れと肩の暖かさで
あっという間に眠りに落ちてしまった
駅に着けば
「またね」で別れる寂しさがあるのに
勿体無いくらい残念
でも
「よく寝れた?
ごめん、寝顔が可愛らしくて起こせなかった」
彼の大きな手がポンッと頭に
優しく目に飛び込んだ、その笑顔の瞬間に
今日は昨日よりも恋に落ちていく
#落ちていく
「あら〜。お似合いのご夫婦ね!」
通りすがりのご老人に声を掛けられて
2人は固まる
(え…なんで?俺、父親なんだけど)
(は!?息子なんだけど…)
ぎこちなく顔を見合わせ
「ぷーっ」
同時に限界、腹を抱えて大爆笑した
#夫婦
「どうすればいいの!?」
叫んで目が醒める
夜中にガバッと布団を捲り上げて跳ね起きた今
酷い寝汗と息切れだ
悪夢でも見たに違いない
…って悪夢?
内容まったくわからないのだけど???
午前3時ジャスト
眠気はもう何処かにすっ飛んだ
#どうすればいいの?
「あなたは私の大切な宝物なのよ?大好きよ」
母はそう言って愛おしく頭を撫でてくれた
そんな過去もあるっていうのに
一体なんなんだ!?
「あんた何のんびり寝てんのよ!
今日は塾でテストだっつーの!!!(怒)」
不思議も不思議
尻を蹴られて床に転がされている
ねぇ、何なの?
俺って宝物なんじゃねぇの?違うの?
#宝物