階段を上っている時に強風が吹いた
ヒラッと前を行く女の子のスカートが捲られ
パステルカラーのピンク色が、ふわり
見えてしまった…(赤面)
運命なのか偶然なのか
その女の子は今、僕の彼女
「ね!わたしの好きな色、わかる?」
ショッピングモールで振られた会話にドキッとする
「あー。たぶん水色かな?」
正直に"パステルカラーのピンク色"だなんて
付き合い始めてまだ一か月
度胸もないし、言えるわけもない
#忘れたくても忘れられない
やわらかな光が降り注ぐ場所には
陽だまりのような優しさが集まっている
学生の頃
座ってたのは窓際の席が多くて
晴れている日はやわらかな光が差し込んでた
居眠りばかりしててさ
「コラッ起きろー!」
よくそう言って
教科書で叩いてきた先生がいた
22時過ぎに帰宅
先生の訃報がポストに届いていた
「なんだよ。今度は先生が眠ってんの?」
あのさ先生…
報告が遅くなっちゃったけど
俺も今、生徒達を叱咤激励する『先生』なんだよ
#やわらかな光
鋭い眼差しは嘘を見破る眼差しだ
言い逃れはできない
「お前、俺のこと好きなんだろ?」
「…。男同士でしていい会話じゃないと思うけどね」
「俺は好きだ」
大通りの交差点、信号は青
通り過ぎる歩行者は驚愕の眼差しを向けていく
居た堪れなくなって立ち止まった
「そこらへんはさ、鈍いと思っててくれない?」
#鋭い眼差し
頂上に向かって、僕達の乗った観覧車は
ゆっくりゆっくりと動く
「天にも昇る心地ってこーゆーの?
2人きりの密室だし…期待して、いいのかな。ジンクス」
彼女は真っ赤な顔をして
高く高く空に近づいていく観覧車に
ときめいている
「天にも昇る心地…うん、確かに…そうだよね」
閉所恐怖症に高所恐怖症の僕は
天国に近づくのではないかと
気分は真っ逆さまに落ちていく心地だった
#高く高く
「おぉ!バニラアイスぅぅ♡」
ストレスが溜まると
食べたくなるのは子供の頃から好きだった
バニラアイス
「今日は食べたいだろうな〜て思ってさ!て言うか、
お前が子供のように笑顔になるのが好き!」
旦那さんが一緒に笑ってくれるから
実は、ストレスがなくても
食べたくなるんだよね
#子供のように