駅前で七夕祭りが開催されている。
部活帰り、先輩が短冊に願い事を書いた。

『今年こそは彼氏が出来ますように！』

…気合いがスゲェ。笑

他の短冊にも目移りする先輩を横目に
こっそり書き足す。

『俺が先輩の彼氏になれますように！』

横に並んで歩くから
手を繋いで歩くようになり
指を絡めて
抱き寄せ合って
キスをするようになった。

"気になる奴"から友だち
友だちから"恋人"になるまでの思い出は最短。

「愛してる」
「ああ、わかってる」


#友だちの思い出

七夕の夜に別れ話か？

星空を見上げるだけで
ロマンチックな気分になれるものだが
それは幸せな場合…だけかもな。

今夜の天の川は、濁流だ。

悲しいことや辛い事
ストレスや苦しみ
…どれだけ僕を試して来るの！？

もうやめてよ！と神様に泣き付いても
無視されていると思ってた。

「ちょっと待ってよー！君、ハンカチ落としたでしょ？」

振り返ると
汗だくで走って来た彼女と夏の日。

"キラキラした光の中で一目惚れをした"

僕を試した神様は
この日のご褒美を、隠していたのかな。


#神様だけが知っている

この道の先に、正解があるのか不正解があるのか
結局は歩いてみなくてはわからない。
だから
踏み出す勇気と、歩き出すための一歩は
間違いなく『正解』

「僕と結婚して下さい。…あなたが好きです」