6/26/2023, 11:17:46 AM
食卓には冷めたカレーライスと『さようなら』のメモ。
"笑顔がぎこちなかった"
一瞬の違和感は君からの合図だったのに
多忙を理由に気付けなかった。
#君と最後に会った日
6/25/2023, 12:47:31 PM
ハイビスカスは派手なイメージの花だけど
花言葉は『繊細な美』
真っ赤な口紅を指でなぞり、鏡を見る。
舞台の上に立つ僕は
二人の兄に恋をして二人の兄に愛される令嬢だ。
「スタンバイお願いします」
ハイビスカスは理想の華。
ドレスをふわりと揺らし、スタッフの声に艶然と頷いた。
#繊細な花
6/24/2023, 1:17:00 PM
「驚け。俺の余命は1年あるかないかだってさ」
親友が何でもないような顔をして告知したのは昨日。
ばっかだなぁ。
誰も1年先の事なんてわからないんだぞ?
交通事故に遭って何本あるかわからない点滴に繋がれ
動かない身体で天井を見上げる。
途切れ途切れの意識の中で
『僕の方が天国に近そうなんだけど…』
親友に言い返してやった。ほら驚いたでしょ。
#1年後
6/23/2023, 11:36:07 AM
芝生の上にゴロンと寝転がることを
「ちょっと恥ずかしいかな」て一瞬躊躇したとき、
窮屈な時間に慣れ過ぎたもんだと
自嘲する笑みが溢れた。
子供の頃は
草だらけになって、青空見上げて、
時間をを忘れるくらい無邪気に笑っていたのにね。
6/22/2023, 11:58:43 AM
「痛ってぇぇぇ!」
喧嘩っ早いし、がさつだし、運動バカだから
小さな頃から怪我は日常茶飯だった。
「仕方ない奴だなぁ」
ケラケラ笑いながら絆創膏を貼るお前は
俺の日常に欠かせない存在だった。
それを今更だ。
高校生になって、やっと気付いて、
お前が彼氏を紹介してくれた瞬間に
絆創膏でも塞げない大怪我をしてしまった。
仕方ない奴だって、笑えるだろ?
…泣きたい。