あの頃のわたしは

なんの覚悟もなく

ただ生きているだけでした

なんの目的もなく

好きな人のためだけに生きていました

ふわふわした人生でいいと思っていましたね

この10年間よく死んでしまいたいと思っていました

今でもその気持ちは0ではないようです

でも今は

それなりに楽しく生きてますよ

苦しい10年間だったけど

今もあなたは生きています



あの頃のわたしへ

あなたは今日も明日に向けて生きています

そもそも透明ってなんだろうか

人がその色を赤だとか青だとか決めたけど

透明ってなに

触れることができないもの？

触れることができるもの？



この世界は曖昧だ

理想は理想

現実が今ここにある

理想の体型

理想の生活

理想の仕事

理想の恋


全て理想があり今がある

あぁ、


幸せになりたい

死はあっという間であっけない

死に向き合う瞬間

あの温かい手は

少しずつ温もりをなくす


突然の別れに戸惑い

涙も出ない


ただ自分の心臓の音の大きさに

生きていると実感させられる


そしてまた日常が始まる

遠くから聞こえる

花火の音


一晩中話した公園

一緒に歩いて帰った裏道


突然の言葉に泣き崩れた

真夜中の道路


ベッドの上で吸う

タバコ


抱き合うとほのかに香る

香水


全てが愛おしい思い出となるまで


この恋物語は続く