神様が舞い降りてきて、こう言った
君は今まで本当によく頑張った
そんなに頑張る人はなかなかいない
どこに行っても褒められただろう
どんなことにも興味を持って
みんなが嫌がることも率先してやってきた
本当にすごいことだ
だけど君は今、こう思っているね
こんなに頑張ったのに報われないと
そして体もボロボロだ
次から次へと問題も押し寄せてくる
それはね残念ながら罰なんだ
君は義務を果たしていないから罰を受けている
君は人に認められたくて努力してきたけど
君に与えられた義務は君らしくいることだ
それを完全に放棄している
分かるかい
まずはねゆっくり休んで
自分の話を聞いてくれない人から離れることだね
それから思ったことを口にだしてみるんだ
心に飼っている鬼教官は解雇して
自分を甘やかすことだね
誰かのためになるならば
あなたのためにやったんだと
そんなふうに口で言ってしまう人は嫌いだ
行動で示され1人だけ優遇されても迷惑だ
だから自分でも人に何かをあげるときは
自分自身のためなんだと言い聞かせるように
そうやって過ごしてきた
だけど少し疲れた
何もかもめんどうになる
突然全てを終わらせたくなる
そんなとき思い出すんだ
私の体はすごい数の細菌たちがのっている
ただの乗り物なんだと
生きているのに意志なんか必要ない
鳥かご
ずっと鳥かごの中にいるみたいだった
必要なものは何も言わなくても用意され
彼らが安心するためだけに閉じ込められた
大切なものは奪われ
お前は飛べないんだからと刷り込まれた
実際、外に出てからの私は
自分でかごを作り
いつまでもそのにとどまっている
友情
もうずっと
他人の幸せを喜べないことが悩みだった
だから
君が嬉しそうにしているのを見て
自分も嬉しくなれたとき、ほっとしたんだ
悪意なく羨ましいなと思えたことに驚いた
それくらい君が好きというよりは
自分自身に対して少し優しくなれたから
そんな気がするんだ
花咲いて
午後の散歩の途中
とても背の高いヒマワリが現れた
歩いても歩いても距離は縮まらない
ヒマワリも進んでいた
視線を下ろすと小学生の女の子が
鉢植えを持って歩いている
明日から夏休みか
それにしてもよく伸びたなヒマワリ
大人の背丈くらいある
添え木もなしに左右にゆれて家に帰る
しなやかな強さとはこういうことかと思った