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久しぶり、元気してる?
半年前に振られた相手から連絡がきた
なんだかめんどくさいことになったかと思い
未読のまま情報を集めた
私が思いを伝えたときに彼は
君も好きだけどAちゃんの方が好きなんだよね
そんなことを言った
Aはとてもいい子なのですっぱり諦められた
だがどうやら彼は振られたらしい
それなら私を、ということみたいだ
残念なことにもう飽きたし
正直私もAの方が好きだった
目が覚めると
朝になっている
また食べて出して少し動くだけ
動物園の檻の中にいるみたい
こちらをじっと見つめるおじさんもいる
人間は自らの家畜化に成功したというが
野生の動物は退屈しないのだろうか
食べることが生き延びることが
それほど難しいのだろうか
安全で退屈で不満のある生活と
危険で面白くて不安だらけの生活
どちらがいいだろうか
私の当たり前
やりたくないことはやらない
後輩が雑用を率先してやるものだとしても
先輩もやってくれそうならしばらく放置し
1つの会社に3年止まるのが良しとされていても
給料も嘘だらけで上司が格好悪ければすぐに辞め
受けたくない授業はサボり
誰も読まない書類は出さず
長話は空想の世界に逃げ込む
こんなんでも気が利くだの真面目だの
そんなことを言われるのだから
もっと好き勝手いきたい。
街の明かり
いいところに連れてってあげる
そんなことを言われて
車乗ってぼーとしてたら山の上にいた
ほら綺麗だろ
自慢気に言われたけど
ひねくれた私は
夜景なんてなくなればいいのに
そんなふうに思ってしまった
みんなみんな早く帰って寝ようぜ
睡眠時間足りなくて頭おかしくなってるよ
七夕
毎日誰かの誕生日だけど
今日はあの子の誕生日だ
もう顔も名前も覚えていないのに
覚えているのは七夕だったせいだろうか
かろうじて旧姓は覚えている
私たちのクラスには名字がかわる子が
本当にたくさんいたから困っちゃうね
自分の記憶力が少し気持ち悪いけど
君が今年も楽しく過ごせるよう願ってる