赤い糸
私の指にも巻き付いているのだろうか
目に見えない赤い糸が
人間関係はわりと長く続く方だけど
ずっと一緒にいて
ずっと仲良しなんてことはないと
もう諦めてしまった
この糸の先にいる人とも
会った瞬間に糸がほどけたり
最悪自分で切ってしまうこともあるかもしれない
そんなことを考える
もう寝た方がいいかもしれない
互いに求める距離感が違うとき
どうしたらいいんだろうな
入道雲
ヂーーー
ヂーーー
なにか虫が鳴いている
セミだろうか
もう出てきてしまったのだろうか
それにしては音が高い
高い分、よりうるさい
慌てん坊のオカマさんだろうか
入道雲とセットでいらっしゃい
夏
とうもろこしのにおいをかぐ度に
思い出すことがある
慣れない一人暮らしをしながら
はじめて大きな仕事を任されたときのことだ
元々料理も外食も好きではなかったので
毎日へとへとの状態で口にいれるのは
果物とお菓子ばかりだった
お腹いっぱいお菓子だけを食べ続け
太らないことに安堵し頭痛に悩んでいた
ある日、タオルから
とうもろこしのにおいがすることに気づいた
体からも同じにおいがした
血液検査では異常がなかったがこわくなった
仕事もやめ食生活をかえ体臭はもどった
母が三食しっかり食べろと言ってたわけが
今なら良く分かる気がする
ここではないどこか
定期的に知らない場所に行かないと
ストレスがたまってしんどい
何かの調査で女性の方が
旅行のストレス解消効果を実感している人が多い
そんな結果が出たらしい
それは男性の方が普段から遠出する機会が
多いだけで男女差はあまり無いと思っている
地球は思っているよりずっと狭くて
その気になればどこにでも行けるのに
外に出ることを忘れた女のひとを見ると
苦しくなるんだ
君と最後に会った日
飛行機に乗り遅れないか
私の頭の中はそれしかなくて
滞在中もずっと気まずかったから
早く君と離れたいと思っていたくらいだった
一緒に食べるために
君が用意してくれた朝御飯も
そのまま持ち込んで取り上げられてしまった
お金も時間も
ただ君に会うためだけに使ったのに
写真1枚取り忘れてしまうなんて
もしフィクションだったら
これが最後の別れとなって後悔するんだろう
無事に帰宅できた瞬間に
君に会いたくなるなんて、本当に馬鹿だ