街
夜、住宅地で迷子になると
思いのほか静かでこわい
壁一枚隔てたところに
たくさん人はいるはずなのに
まるで人里離れた森の中で迷ったみたい
そして薄暗い
夜景が綺麗なのは
やっぱり働いている人がいるってことなんだなと
なんかそんなことを思ったんだ
やりたいこと
やりたいことがないとき
思いつくまま何でもやってみること
世の中にどんなことをしている人がいるのか
あちこち調べてみること
やってみてもいいかなと思ったら
見栄をはらず、でも丁寧に応募してみること
用事がなくてもフラフラ散歩すること
行ったことのないところ
やったことのないことに手足を伸ばすこと
金稼ぎや人の目を考えないこと
本当に何も浮かばないのなら
食事、睡眠、運動で体の調子を整え
何か思いつくまで、何もしないこと
朝日の温もり
朝焼けが好きだ
真っ暗な空の端から
少しずつピンクに染まっていく
早起きする人たちは
夜更かしする人のように
騒いだりしない
パン屋でバイトができてよかった
早番に入りたがる人は多くないし
朝の楽しみができた
朝日に見とれて
うっかり遅刻しかけたこともある
どこにも居場所がなくても
あの空を見るたびに
見守られている気がして
ほっとするんだ
岐路
小さい頃はみんな同じように生きていくと思ってた
全員が大学に行き、就職して、結婚して
どうやら違うらしいと気づいたのは
高校を卒業してからだったと思う
普通の人生は想像以上に難易度が高いぞと
大人たちは平気な顔して生きてるように思ってた
たまに機嫌が悪くても
それはその人の性格のようなものだったり
育児が大変なのであって
生きてくこと自体がそんなに辛いのだとは
考えていなかった
あのとき想像していた普通の人生を
歩んでいる人は思った以上に少ない
このさきどんな道を選んでいくのだろうか
なんだか深刻になりすぎているかもしれない
子供の頃のようにそんなものだと
ただただ受け入れてみようか
世界の終わりに君と
女子高生と柴犬が
散歩しているだけの漫画が好きだ
作者が犬好きだから
柴犬がとても可愛く描かれている
柴犬が語るうんちくは
どこかで聞いたことのある話ばかりだけど
犬や猫に例えてあって面白い
人間を相手にするのは疲れたから
誰もいない世界で
動物たちとおしゃべりできるのはうらやましい