悪意のない悪意

天国も地獄もないのなら

誰がこいつを持っていくのだろう

お月さまお月さま

私はなぜこんなにも美しいのかしら！

街行く人は私を振り返り

私を好きな人か私を知らない人しかいない世の中で

あなただけが私を見守り続けても近づいてこない

私の魅力じゃなくて、それこそ軍でも使えば

あなたは墜ちてくれるのかしら？

「はぁ…まだ降ってるのか」

先月からの異常気象で降り止まない雨

世界中どこでもずっと止まないらしい

「僕あんまり雨好きじゃないんだけどなあ」と

苦笑を浮かべているそこのそいつ

先々月あたりから僕の家で雨宿りしている元他人

曰く、雨に当たるとどんどん寿命が縮んでしまう難病とか

他人とはいえ、ずっと一緒にいるとまあ仲良くなっていくわけだ

だから私は「私は雨好きになったのになぁ」なんて

雨音に隠れて告白してみたりする

雨、止まないといいな

中学3年生の私へ

こんな学校には来るな

自分のことを好いてくれる娘を全力で大事にしろ

学校にバレなきゃいいからバイトも初めてしまえ

親にも迷惑かけるなだけどもっと我が儘でもいい

自分を強い人間だと錯覚するなカス

まあなんだ、こんだけ言ってきたけど

後悔はするなよ

逃げられないのは何故だろうか

逃げる意思がないからだろうか

逃げる気力がないからだろうか