さっきまで晴れていた空が雲に包まれ、凄まじい雨が
降っていた。向こうの空は晴れている。
折り畳み傘じゃ防ぎきれないくらいの雨、
ザアザアと音を鳴らし、窓に水滴がつく勢いの雨。
ツクツクボウシがないている。雲の隙間から少し夕日が差し込んでいる。もう完全下校の時間だ。
帰りながら雨がやんでいく。
雨がふりやんだら、それはきっと、前へ進んでいる証拠。
空もたまには八つ当たりしたくなるのかな。
どれだけ泣いても八つ当たりしても、私も空のように
前を向いて進んで行く。
「空が泣く」
"ピロンピロン!!ピピピピロン!!!!!"
一日中通知がうるさかったので、最近通知を切った。
だいたい来るメッセージは「ひま」「誰か遊ぼ」とかばっかりだった。夏休みが終わってからは比較的メッセージは減った。
それが少し寂しくもあるのかもしれないが。
私だってもう中学3年生なのだ。受験勉強くらいしなければいけないので、夏休み前から塾に入り始めた。特に数学と英語がやばい。(言うてだいたい国語と社会以外の三教科全部やばい)
それにあいつらは私より頭が悪いのに勉強なんて全然しないで遊び呆けていた。あいつらは行ける学校の選択肢がひとつしかない。というか自分からそれしか選ぼうとしない。
少し羨ましかったし、花火も一緒に見に行きたかった。
でも、絶対に一緒の学校には行かないと決めている。進路希望の紙にもその学校は書いていない。だから、あと少ししか一緒に居られないのだ。あのうるさかったグループLINEも、あと少しで静かになってしまうのだろうか。
なんだかそう思うと、ほんの少し、ほんとにほんの少しだけ、
寂しくなってしまう自分がいる。
「君からのLINE」
最近よく思う。自分はいつ死ぬんだろう。
今を生きているのに、今はすぐ過去になり、昔のことになる。
あっという間に時が過ぎてしまうのはわかっているつもりだが、それでもやっぱり少し怖い。
だから私は、家族や友達とバカ笑いしたり、ネコを思いっきり吸ったり、泣いたり「今この瞬間」を大切に生きて生きたい。
「命が燃え尽きるまで」
大抵の人は寝ており早い人は起きているであろう早朝5時。
「にゃぁ、ぅるルにゃあん゛!!!」
キレ気味な猫の声で起きた。
眠い目をこすりながら私は起きた。おっと、ご飯が空だった。
カラカランという音をたてながらカリカリをつぐ。
「うぅ??」
なんだ貴様、贅沢な猫めが「ちゅーるをのせろ」と言っているようだ。
うちのお姫様はチュールがないとご飯を食べてくれなくなってしまった。美味そうにカリカリ音をたて食っている。
(なんだこいつ可愛いな最高のasmrかよ)
(ちゅーるのせ贅沢)ご飯を作り終え、私はまた寝床に着いた。
カーテンの隙間から見える空が、少しづつ明るくなっている。
朝が来る、学校に行かないといけない。嫌だなあと思いながら二度寝した夜明け前の話。
「夜明け前」
最近3年間想い続けた人のことを諦めた。
噂に聞くとほかの女子に想いを寄せて告白していたらしい。
それがまたまたなんと縦読み告白だったらしい。
ちなみにその2人は両思いなのだがうじうじして両片想い状態だとか。今までも不評は少し聞いていたのだが、クラスも3年間
離れてしまっていたので、思いも薄れてきていたのだろう。
なんというか、あっさり終わってしまった。
暑くて濃く、寂しい恋だったなと思う。
いつかはもっと本気の恋がしてみたいな。
「本気の恋」