海の底
そこは暗く 音もせず 人が生きられない
まさに暗黒の世界…
そう思ってはいないか…
そこに生息する深海魚からすれば
そこは過酷でも唯一無二の安息の地
彼らからしてみれば
地上の世界が暗黒の世界なりうる
人種 国 言葉 性別
一方的な考え方は
勝手に相手を不幸のように思わせる
今の世界はそれが溢れている
都合が悪いことには
目を瞑り 耳を塞ぎ
仮面をかぶって周りに合わせて自分を無くす
果たして 本当の海の底は
我らか深海魚が住む世界か
あなたはどちらだと思う?
#海の底
君に会いたくて
そう願い続ける日々
だけどその日はなかなか訪れない
いつのまにか心の距離は離れていく
このまま君に会えずに日々は過ぎ去っていくのか
寂しくてたまらない…
こんなやりとりが
LINEの画面で繰り広げられる現代
人のこころは
機械に空虚に表示される文字によって
刻まれ、探られ、掛けられる
便利さと空白感は
現代の切っても切れない腐れ縁なのか
人のこころが活きた時代に
懐かしさを感じる
#君に会いたくて
木枯らし
冬に吹き荒ぶ木枯らし
木々に必死にしがみつく枯葉を
遠い彼方へ連れ去り
人には冬を届ける
まさに冬の風物詩
そんな君が訪れたということは
新しい春が
近づいてきているということ
木々には新しい緑の命が芽吹き
人は別れや出会いに勤しむ
木枯らしは
人知れず春に向けて準備せよ!と
皆に知らせてくれているのかもしれない。
#木枯らし
『駅の非常ベル』
Booーーーーー!!
駅のホームに甲高く鳴り響く非常ベル
『ただいま、状況を確認しております』
車掌の放送に何事かとざわつく電車内
数分後、
『急病人のお客様の救護を行なっております』
との放送
そのあと電車内に広がる
無関心、苛立ち、舌打ち…
急病人とは悪人なのだろうか
日本人は気遣いが素晴らしい
海外から称賛される心遣いとは何か
コロナは人々から日常を奪ったが
私たちが取り戻すべきなのは
人としてのココロなのかもしれない
この世界は常に加速している
乗り物
スポーツ
技術進歩
人とヒトを繋ぐスピード
時代と共に
人々は進化のスピードを速めている
同時に、ココロは退化していないだろうか
どんどんと生きづらく、
どこか切ないセカイになっている気がする
そんな世界で求められるのは
あえてスピードを遅めることなのかもしれない
未来を見て前を見すぎず、
今この時間をゆっくりと進んでいく
そんな時間が疲れた現代人に必要な
大切な時間なのかもしれない…