僕には大切な大切な君がいる。
それは僕から生えている髪の毛の事だ。
ただの髪の毛じゃなくて、もちろん白髪の事なんだけど。
頭皮がムズムズッとした時は、黒い髪を掻き分けると必ずと言っていいくらい君がいる。
また君と出会ってしまった!という瞬間、なぜか愛しさとせつなさと心強さを感じてしまう。
【大好きな君に】
昔、小学校から帰ると畳みの部屋にお雛様が飾ってありました。七段飾りで場所をとり、約一ヶ月近く陣取っていました。
真夜中にトイレに起きる時は、お人形たちが話してるんじゃないかなんて、ちょっと恐る恐る起きたものです。桃の節句が過ぎても出しっぱなしにしていると嫁にいくのが遅くなるなんて聞かされながら、母と一緒に入っていた箱に片付けていました。
今でもいい思い出です。
【ひなまつり】
壊れても、失くしても、決して諦めてはいけないよ。
希望はいくつだってあると思うけどなぁ。
たった1つの希望って言われると、なんだか結構プレッシャーだよね。
僕はどんなに落ち込んでも、希望は沢山持っていたい派なんだよねぇ。
今日は僕の話になってしまいました、すみません。
例えば、朝日を浴びてキラキラと光るビー玉が希望であるならば、真っ黒な蛇のような生き物をたくさん中に閉じ込めたガラス玉は欲望である。
この二つの玉を持つのが人間であって。
だから僕たちはなんとか生きていけるのかもしれない。
他人よりも自分を優先し、命ある限りその欲望を完全に満たす事はでき無い。
それを知っているからこそ、僕たちは希望を失わずに少しでも近づきたくて、朝日に向かって手をのばす事を決してあきらめたりはしない。
【欲望】
「こんにちは。YouTuberのハズミです。今日は列車の旅を楽しむためにここ✕✕県にやってきました。
東京から✕✕県まで列車に乗って、外の景色を楽しみながら有名な駅弁をいただこうと思います。」
タタンッ タタンッ タタンッ タタンッ タタンッ
「あっあれっ…」
気がつくと辺りはすっかり夜になっていました。
撮影担当さんは、何処かで降りてしまったようだ。
なんか…この列車、誰も乗っていない…
おかしいかも…
突然列車が止まった。
終点…
きさらぎ駅って…「嘘だろ!」
撮影者の男性の通報で警察も一緒に捜索したのですが、その後ハズミさんは戻ってきませんでした。