『優しい嘘』


あの日に君は小さな嘘をついた

たった一言
「好きじゃなくなった」



その言葉を信じてしまったから
見抜けなかったから
今、隣に君はいない

あの日に君がついた小さなうそは

傷つけまいとする君の優しさ


あの涙は
苦い涙
気づかれまいと
ひた隠しにした
君の


嘘つきな涙

優しい君が最初で最後についた
優しい嘘


花華

『あなたへの贈り物』


あなたがくれたものが多すぎて
あなたに何があげられたか分からない

あなたへの贈り物が
小さなものでも届くといいな

この気持ちと共に
あなたに
届きますように

この大好きだという気持ちが


花華

『ただひとりの君へ』



目の前で眠り姫となったキミ

知ってる？
眠り姫は口付けで目覚めなきゃ行けないんだよ？

どうして目覚めてくれないんだい？

僕はずっと待ってるんだけどな

ただひとり愛しい君の笑顔を


ずっと待ってるよ
だから

早く目を覚まして
笑ってね 花華

『手のひらからの宇宙』



こぼれないように
こぼさないように
包み込むように
抱え込むように

大切にしたいもの

小さな小さな世界かもしれない

無限に広がると言うよりは
儚く脆く狭いものかもしれない


そんな世界であっても構わない

いちばん大切にしたい君と
一緒にいられる時間(ばしょ)だから
他の誰でもなくて

たった一人の君と
守りたい空間(じかん)がその中にはあるから


花華

『風のいたずら』


トントンッ


誰か呼んだ？


トントンッ

誰かに叩かれて呼ばれた気がした
振り返るけど誰もいない

その代わりに
風が通り過ぎた


風が通り過ぎる時に聞こえた声
「何をしてるの？
寂しいそうな顔をして
どうしてないてるの？」

見透かされた気がした
心の中を覗かれた気がした

誰もいないのに
優しい声の風のイタズラ

そう
涙が頬を伝う瞬間にまた聞こえた声
「君はひとりじゃないよ
何かあったらいつでもここへおいで
何も無くてもさ
君の味方はここにいるからね」


花華