ただいま、夏。
今年の夏は実感が湧かない
暑いけども、なんだか、
8月と思えるような、そんな気持ちが
全く湧かないのだ
7月の頃も何も感じず、
ただ、梅雨って面倒だ、と思うだけだった
今年は、夏もプールも海も楽しめないだろうと思った。
蝉はうるさく、塾帰りの火照った体を冷やすべく、
リピ買いしたシャーベットを食べる
朝起きるとエアコンがタイマー切れして、
背中に汗をかいている
暑くて暑くて、耐えられなくて、
ついにエアコンをつけた時の爽快感
友達と一緒に馬鹿騒ぎをしながらする宿題
ひとりで寒いほど冷えた図書館に向かうまでの坂道
無駄に長い信号を待っている間に暑くてイライラする
日傘を持ってくるのを忘れた、自分に対しても。
夏、なんだかんだ楽しんでるかもなぁ。
ぬるい炭酸と無口な君
ぬるくなった炭酸を口に含んだ。
思わず、「まっず、」と口に出していた。
それでも君は何も口にしない。
君には不似合いな程綺麗な石にもたれて、
もうひとくち口に含んだ。
やっぱりまずかった。
けれども、君は無口であった。
死人に、口無しってやつ?
もう少しだけ、待っていて。
虹のはじまりを探して
虹って幸福だとか
見ると幸せになるとか
よく言いますけれども、
そんなことは全く持ってないね
だって虹だなんて
雨が降ったことを
示す跡なだけだろ?
むしろ、さっきまで
空がないていたことを自ら
証明しているようなもんだ
さっきまで泣いていた空を
知っていると、
虹なんて見ても、ちっとも幸せにはならないね
涙の跡
お前の涙の跡
見ていても何もときめかないな
それより、
どうしてお前なんかに、
泣く権利があると思っているんだ?
その赤くて腫れぼったい
涙の跡
見ているだけで腹が立つね
風鈴の音
夏は風鈴
少しばかりぬるいそよ風に
ゆらゆら揺れてる
ちりん
ちりりん
ちりーん
ちりりーん
いつも違う音を奏でる
あーもう、
音が気になって宿題が進まないよ、