1/14/2024, 1:14:09 PM
真実を告げれば
君は悲劇の主人公気取り
望まれた正解を返せば
ぼくを嘘つき呼ばわり
もうどうしたって
下り坂の未来しかないのに
君は口を再び開いて
傷口を深く抉るための問いかけ
『どうして』2024/01/1516
1/13/2024, 12:44:16 PM
永い永い眠りから覚めて
誰かがいないことを
胸に通る隙間風だけが覚えている
ぼくを生かすために払われた犠牲を思えば
この旅路を終わらせることなどできないけれど
ああ、ぼくが忘れたあなたに
会える夜だけをただ求めている
『夢を見てたい』2024/01/1411
1/11/2024, 2:09:46 PM
首を縮めてバラバラに佇む
鳩たちを横目に家路を急ぐ
おでんを食べて
床暖房をつけて
羽毛布団を被っても
それは“温もり”ではないから
『寒さが身に染みて』2024/01/1215
1/10/2024, 10:15:18 AM
酒も煙草もこの日を待たず始めてしまったけど
今日、この日をあんたと一緒に過ごしたかった
お猪口に日本酒を注いでやって
おそらく会話は弾まないだろうけど
なんなら全く家に寄りつかないことを
あんたは叱るかもしれないけど
それでもすべてを甘んじて受け入れるから
今日の俺を見て欲しかった
せっかちな性格そのままの人生みたいだったけど
母さんは今でもあんたへの愚痴になると長いけど
俺は格好良いと思ったあんたみたいに
精一杯の大人の振りをしてみせるよ、今日から
『20歳』2024/01/1117
12/28/2023, 10:15:18 AM
「じゃ」
「また」
その後に、いつもより少しだけ指先を揃えて
「良いお年を」
1年に1度だけ、大切な挨拶
返ってくる同じ言葉
お互いにはにかんで、背を向けて歩き出す
さて来年君に会うのがもう楽しみで仕方ない
次の挨拶はもう決まっている
それも大切な、1年に1度だけの大切な挨拶
次また繰り返せるとは限らないから
大切な挨拶
『冬休み』2023/12/2914