11/21/2023, 9:22:05 PM
同じ二人、同じ部屋、同じ朝
乾いた唇を見つめながら待っている
涙が溢れるのを
あるいは
笑いが込み上げるのを
けれど私の心は冷たくて固いまま
まるで君の体みたい
私も死んでいるのだろうか
いやお腹が減ってきたから
まだここで呼吸をしている
何か食べたいのだけど
包丁は使ってしまったし
外に出るには面倒で
ああ、
『どうすればいいの?』2023/11/2219
11/14/2023, 4:21:25 PM
秋を吸い込むことだけが
幸せを噛み締める行為だと思います
季節は巡るものなので
過ぎ去ってもまた迎えてくれるからです
寂しさと豊かさを纏う
秋が一番好き
それはそれとして、最近は秋のターンが短すぎて
とても不服
『秋風』2023/11/1516
11/13/2023, 10:00:19 PM
戻るつもりのない背中を見送って
最後の言葉を反芻する
君が残していったのは
君らしく優しくて醜いお呪い
それだけ
『また会いましょう』2023/11/1411
11/12/2023, 2:24:57 PM
欄干に身を乗り出して
底のない暗闇を見つめてみる
黄色い線の外側で
横切る車体を眺めてみる
割れたガラスを拾って
血管を刺してみる
ネクタイを巻きつけて
両手で横に引っ張ってみる
そうやって
ああ、生きている
なんて安心してみせる
『スリル』2023/11/1316
11/11/2023, 2:43:29 PM
羽根で翼を誂え塔を出て
自由に魅入られた男がいた
しかし太陽は熱く蝋は溶けた
男は海へ堕ち遺体は島へと流れ着いた
彼を傲慢と呼ぶ者は誰か
その神域がいつまでも護られると思うな
彼を無謀と嗤う者は
一度でも勇を鼓してからにしろ
『飛べない翼』2023/11/1214