10/30/2023, 2:08:24 PM
すれ違う情景に君の影を見た
なのに、僕の心は凪いでいて
二度目の喪失を知る
ぐちゃぐちゃだったはずのあの頃を
美しいとさえ思うよ
若いままの君と今の僕を比べて
嫌だねえ、とボヤく相手ももういない
君のいた世界で
次第に浅くなる君の輪郭を
大切になぞり続ける
どうせこの先も
繰り返し繰り返し
失って失って
生きることってそういうことでしょ
『懐かしく思うこと』2023/10/31
10/29/2023, 9:47:16 PM
ようやく辿り着いた
俺たち幸せを奪った憎い男
罰に怯えるはずのその顔が
罪への苦しみに満ちていたから
這いつくばり頭を下げたその男は
許しではなく終わりを乞うから
黒鉄を置いて膝をつく
俺は知らなくてはならない
この男が辿った---
『もう一つの物語』2023/10/30
10/29/2023, 1:13:35 AM
君が現れたせいで
ここが陰だと気づいてしまった
『暗がりの中で』2023/10/29
10/27/2023, 10:06:08 PM
休日予定のない朝は
僕の淹れるコーヒーで
甘いものを買った午後は
君の淹れる紅茶で
2人で暮らした日々が
街中の至る所から香って嫌になる
『紅茶の香り』2023/10/28
10/26/2023, 11:17:23 PM
どこまでも恥ずかしがり屋なきみの
「悪くない」「嫌いじゃない」には
どこまでも優しい僕だけが返す
「はいはい、僕も愛してますよ」
そうするときみは赤くなって呟く
「うるさい」
これでワンセット
『愛言葉』2023/10/27