顔を洗うとき、
指がスーッと軽くなる。
湯船に浸かりながら。
歯の隙間にいつまでも
引っかかっている何かが
スーッと取れる。
そういうことなのかもしれない。
吹き抜ける風。
暖かく、温かい。
あったかい。
そんな記憶
あったかい?
なんつって。
記憶のランタン
紅く彩られた木々たちの葉っぱが
真っ白に染まり出す。
すると、
街は赤と緑色に。
キラキラと光る電球たちが
まるで積もり始めた雪のよう。
それとは裏腹に
まるでどこかのパーティ会場へ
出向いて来たかのように
急ぎ足で
冬へ
今住んでいる箱には
月明かりではなく、
ランタンを灯している
灯りの足下には
リフレクション。
君を照らす月は存在しますか?
そしてその月は
リフレクションに。
20歳まで住んでいた家の前の道路に
コンクリートが敷かれ、
まだ乾いていないその上を
どこからともなくやってきて
足跡を残していった1匹の野良ねこ。
あの時の肉球がそのまま20年以上も
残っている。
木漏れ日の跡。