私のもとから去るきみへ、
友達の病気も、あの子の複雑な怪我も私の八つ当たり。
だけどきみは、私が酷いことをしてるなんて知らない。
友達が健康になりますように、あの子の怪我が治りますように。
きみはいつも他人の事ばかり。
何年も来てくれたのに、きみのことは何も知らないまま。
回復した友達も、怪我の治ったあの子もきみに感謝しないし、きみを覚えてすらない。
もう一回同じ目にあわせてやろうとも考えたけど、
きみが彼らの無事を感謝するものだからやめておいた。
ところで、きみは遠くに行くのでしょう?
私はここから離れられないし、八つ当たりもする器の小さい神さまだけど。
君を覚えている唯一の者として。
ところで、神さまの私は何に願えばいいのかな。
まぁいいか。
ただただどうか、幸せに。
お題:幸せに
何気ないふりで話をしている。
内カメラを起動したアンドロイドをちらちらと見ながら。
口角は上がっていないか 目が笑っていないか
服は汚れていないか アイツ好みのメイクか とかとか。
今日はなぜだか気が散っていて、何もかもが気になる。
思考を巡らせていると、アイツは視界からいなくなっていた
アンドロイドの画面を見ると私のキョトンとした顔と、
それを横から珍しそうに、画面を見つめるアイツ。
驚いてカメラを閉じようとすると、
アイツは撮影ボタンを押した。
努力虚しく破顔した私と、いつも通り輝く笑顔のアイツ。
こんな写真持ってたら、もう何気ないふりできないな。
お題:何気ないふり
人生は物語ではない、そのため
生きていく限りハッピーエンドは無い。
人生の頂点と思うところで逝ったとて、
悲しむものがいるならば、
それはハッピーエンドではない。
だから、ない。
区切りをつけないでいい。
物語で省かれるような、退屈でつまらない日々が
あなたの人生。
すべてが終わってから、あなたの物語になる。
お題:ハッピーエンド
見つめられると笑ってしまう
見つめられるとなんだか困って、目を逸してしまう
見つめられると自分に気があるのかと考えてしまう
見つめられると猫なで声で話しかける。
相手は喋らないから、話しかける。
考えてみると遠くから見ている様な気持ちで
常に自分を見つめている
お題:見つめられると