「前から好きでした」
「大好きです、付き合ってください」
何回も告白の文章を書き直す。
私はあなたのLINEの画面をみながら何度も何度も。
「あなたのことが大好きです。」
この文章に私の全ての想いをこめていざ送信ボタンに力を込める。 だめだ、送れない。
ずっと好きで大好きで、付き合いたいなって思ってた。
でも仲良くなる度に、あなたは友達として好きなのが伝わってきて申し訳なくなっちゃった。だから最後に告白して終わらせようって思った。でも話せなくなっちゃうのが辛くて、全然送信できない。
もう言っちゃいたいのに、言えない。
『あなたに伝えたい』
私は夢を作り夢を魅せるお仕事をしている。
そう、アイドルだ。
今日もステージの上で笑顔を振りまく。
小さい頃から自分の声や容姿には自信があった。
世界で一番かわいいって思ってたし、テレビに出てるアイドルはぶさいくだと思った。
今は少し成長して周りの子もかわいいって思えるようになってきたけど、やっぱり私が一番かわいいって思う。
親も親戚もみーんな私のことかわいいって言ってくれるし、今まで1度も容姿について悪く言われたことはない。
だからそんなかわいい私はもっとみんなに褒められたい、かわいいって言ってもらいたいって思うようになってアイドルになった。
私はアイドルとしてステージに立ち、ファンのみんなに笑顔を振りまいている。かわいい私が大好きだし、アイドルの自分も大好きだ。
私が常に一番かわいくて最強なアイドルなの。
『I LOVE...』
昔はとても嬉しかった「街へ行こう」。
今は少し怖くなった。
人の声も足音も雑踏も喧騒も。
いつしか全部全部が嫌になった。
みんなお洒落で希望に満ち溢れていて、
活気に溢れていて。そんな中に僕は似合わなかった。
全然嬉しくないのに嬉しいふりをしなくちゃいけない。
気持ち悪さで吐きそうなのに楽しいふりをする。
ほんとにだめだ。街は僕をかき消してしまう。
『街へ』
「あなたに優しくされたい」は
「あなたに甘やかされたい」なんだよ
『優しさ』
いつもより目が冴えていてなんだか眠れない。
明日は休みだし少しくらい夜更かししても問題ないか。
ホットミルクでも飲んで落ち着こう。
レンジで温めた牛乳に角砂糖を3ついれる。
スプーンでよくかき混ぜてソファに座る。
今は午前2時。真夜中だ。
今週は嫌なことばっかりだったな、
誰も僕を愛してないような気がして
どこにも居場所がないように思えて。
でも結構身近に僕のことを愛してる人がいて。
嫌なことばっかだったけど大切なことも学んだな。
なんて今週の振り返りをしながらホットミルクを飲み干す。上手く混ぜきれてなくて砂糖が底に溜まってた。
やっと気持ちが落ち着いたところで
ちょうどいい眠気が僕を襲う。
今なら寝られそう。僕は布団に潜る。
湯たんぽのおかげでぬくぬくな布団で
僕はすぐに眠りについた。
おやすみ。もうちょっとだけ頑張ってみるよ。
『ミッドナイト』