6/23/2024, 12:45:57 AM
日常
「今日は何するの?」
「そうだなぁ。せっかくの休みだしな……」
「出掛ける?どっか遊びに行っちゃう?」
「いや、ダラダラ過ごす」
えぇー、なんでよ。
せっかくの休みとか言ってたクセに。
と、がっかりした気持ちを込めて、口に運んだシリアルを咀嚼する俺に。
スプーンをブラブラとさせた彼が。
「ダラダラ過ごすのも、休みじゃなきゃ出来ないんだから。そんなに悪くないと思うけどなぁ」
なんて。
俺の残念そうな様子に気が付いたらしく。
そんなことを溢して。
ふあぁ、と欠伸をするから。
まだ寝てたいところを、こうやって俺と一緒に朝ごはんを食べる為に起きてくれた、彼の優しさを感じた。
だから。
俺は彼ににっこりと笑って。
「そうだね。のんびりするのも悪くないかも」
「そうだよ。それじゃ、一緒に二度寝でもする?」
「いいよ。そうしよっか」
俺と彼は、朝ごはんであるシリアルを食べ終わった器を、キッチンの流し台に置くと。
二人で、一つのベッドに潜り込む。
これが、俺と彼の幸せな日常だ。
End
6/21/2024, 10:55:20 AM
好きな色
「俺は青が好きだな」
「俺も赤が好き」
それじゃあ、一緒だね、ってお互いに笑い合って、手を繋ぐ。
そんな夕暮れ時の空が紫色をしているから。
「今の俺達みたいな空だ」
「ホントだ、俺とお前が混ざった色じゃん」
俺、紫が一番好きな色だな、と。
名前通りの色に頬を染めた彼がぽつりと溢す。
「あはは、お前顔真っ赤だぞ」
俺はやっぱり赤が一番好きな色かな、可愛いもん、と。
名前通りの色を連想させるような、爽やか笑顔で、隣に並ぶ彼が言う。
そんな青によって、赤がもっと濃く染まるのだった。
End