空は、私の初恋で。
何より魅力的な存在で、ころころと変わるその表情のような天気に目を惹かれていた。
晴天、雲一つ見つからない、屈託のない笑顔のような眩しさも。
雷雨、がしゃんと鳴り響く怒声のような音と窓を叩きつける、劈くような悲鳴のような雨音の苦しさも。
雨上がり、雫が滴って微笑んでいるような虹の美しさも。
全てが好きで、堪らなくて。
その中でも、
曇り、黒い雲が空を覆って、暗く淀んだ、物憂げな、寂しさとやりきれなさを含んだ表情が、ずっと、ずっと、好きだ
人の心の詰まった贈り物。
なにが好きかな。喜んでもらえるかな。
何を作ろう。何を贈ろう。
悩んで迷って揺れて動いて、その末のもの。
バレンタインだって、恋愛に溢れた男女だけのイベントではない。そうじゃないやり方があったっていいはずだ。
何年も、何年も、想いを込めて交換して。
そんな親友達に、関係を続かせてくれるバレンタインに、
心よりの感謝を込めて。
いつも愛を運ぶ、とろり甘いお菓子と。
自分の中にだけ残る、大切な気持ち。
どこにも書けないこと。言葉にすらできない感動。
喉が詰まって息が吸えない。
それなのに澄んだ思考が頭を流れる。
高鳴る鼓動を押さえつける。
心臓が爆発しそうで、体を巡る血一つ一つがあたたかい。
時が止まっているような気がする。
自分だけの世界にいる、外から遮断されたような、
そんな感覚の先にあるもの。
文を書いてみようと思ったのはいつからだったか。いや、元々人と話すのが好きで。人との対話での文字に載せきれないこの気持ちを、何が形にしたくて、メモ帳に書き始めたのが最初だったはず。最近の事のはずなのに、文を書くのは楽しくて…つい時間を忘れてしまう。
恐らく文字を書くのは私の性に合っていたのだろう、まだ文章力が追いつかなかったり、語彙力が足りなかったり、気持ちを表現しきれないことも多いが。
いつか、この胸に溢れる気持ちを自らの手でで書き連ねたい、私の体に蔓延る、今の自分では言語化出来ないごちゃ混ぜのこの感情を、いつか。
1000年先も2000年先も、何年だって永遠に。私達から紡がれる縁が、残りますようにと。不安定な今でも、どうにか繋ぎ止めて、糸を結うように、昔を残しながら。この技術を、この文化を、この綺麗な風景を――――。