#小さな命
小学性の頃、先生に聞かされたウミガメの話し
一年にかけて母親は100個ほどの卵を産み
成長して大人になれるのは
わずか5000匹に1匹
生まれて直ぐにウミガメの子供は一斉に海を目差す
ただ生き残るため
次世代につなげるため
危険と隣り合わせの大海原をその小さな命で渡っていく
自分がその1匹になれるかは分からない、でも泳ぐしかない、生き続ける限り確率はゼロにはならない。
先生がどうして授業を割いてまであの話しをしたのか、大人になって少しわかった気がする。
#Love you
僕は裏切らない恋人が欲しかった
大学の同期に付き合っていた女の子がいた、ずっと好きだったけど
彼女の浮気が発覚して僕は一方的に別れた、
それから一年後に彼女と出会った
オカルトサークルの後輩
ネコのような鋭い目で彼女は独特の雰囲気があった
お互い一緒にいて居心地がよく僕らは付き合うことになった
彼女を次第に好きになり、僕は昔の女性に裏切られたことを話した
「じゃあ、おまじないをしましょう先輩」
「おまじない?」
「はい、お互いを裏切らないおまじないです」
冗談半分で僕は承諾した
黒い針をお互い指に指して彼女の指先と血を合わせた。
でもそれはただのおまじないなんかじゃなかった。
体の異変に気づいたのはそれからしばらくしてだった
他の女性に好意をもって接した時や
彼女との待ち合わせに遅刻した時なんかに僕の身体に、入墨のような跡ができていた。
それは全身に痛みを与えた
僕は彼女に問いただすと彼女は答えた
「私の家に古くからある呪いの儀なんです、あのおまじないは」
お互いがお互いを裏切り合うたびに身体の入墨は次第に濃くなり
やがてお互いが死に至る。
それをわかっていて彼女はお互いに呪いをかけた
「大丈夫です私は絶対に先輩を裏切ったりしませんよ」
「Love youです先輩」
こうして僕は出会ったわけだ死んでも裏切れない絶対の恋人を。
#同情
もう他人の力を借りないと病院のベットの上から起きることも出来ない
でも同情はいらないよ
同情は自分より下の人間に向ける感情だよ
そんな感情受けとった時点で僕はキミより下みたいだ
優しくしなくてかまわない
もういいんだ、なんだって
なんだってね。
枯葉
冬の公園、昨日の大風で床に大量の落ち葉が降り積もっている
次の日の休日読書に公園を訪れて見たが
公園の枯葉はボランティア団体がやってくれた
知らない所で誰かに助けてもらってるもんだね。
いつもありがとう。
#今日にさよなら
友達の祐一は頭を打ってから17時間しか記憶が持たない身体になっちまった。
日常生活のことは記憶してるが、俺のことや周囲のことは覚えてない
今日は祐一の誕生日だ、祐一を連れ出し俺はドライブにでかけた、学生の頃二人で遊んだ商店街にパチンコ屋、公園
祐一と過ごすとどこも懐かった。
夕陽が差し始め俺は祐一と帰ることにした
「今日は楽しかった」
あいつは覚えてない、俺の強盗殺人したこと
あいつは覚えてない、現場を目撃したお前を信用できず殺そうとした俺の顔を
祐一、俺明日警察署行ってくるからしばらくお前と会えないんだ
お前の面倒は見てもらえるように知り合いに頼んである
今日にさようなら、ありがとう祐一。