出会わなければよかった

そうすればこんなにお互いに傷つくこともなかったのに

風が木々を揺らす

歩いていくその先にはまた明日がやってくるのに

私には滲んで何も見えない

帽子を目深にかぶって黙って涙を拭いた

わぁ！と

心が反応しなくなったのはいつからだろう

わぁ！と感動できる素敵な世界に生きているのに

何も気にせず、もう一度

わぁ！って目を輝かせて全てを見られたらどんなに素敵だろう

新月が満ちてゆき、また欠けてゆく

季節は巡り、花が咲き、青葉になり、葉が落ちる

雪の中また芽が出てくる

私の見えないところも、他の人には見えている　

あなたがいないこの世界も、いつも通り過ぎてゆく

私がいつかいなくなったこの世界も

いつも通り　そのまま　私の世界

大丈夫。なんて優しいね

私の心は今、言いようのない不安、焦り、憤り、なんて表したらいいのかわからない

こんなときは梶井基次郎の檸檬でも読めば、すっきりするのかな

どんな一日でも、瞬間は過ぎ去っていく

瞳をとじて、自分一人

でも孤独じゃない、感じて、つながってるよ

目を開けたとき、新しい風が吹き、新たな一日がはじまる