スマイル
私は普段いつも不安げな顔をしている。
笑顔とはほど遠い表情だ。何に対してそ
んなに不安なのか。未来、過去、そして
今現在がたまらなく不安なのだ。表情は
大切だと分かっている。ふと鏡に映る自
分に笑ってみせたり、おどけてみせたり
することもある。でもそれは結局、その
場しのぎでしかない。いつも何かにおび
え、何かに責められている気さえする。
それは外界にであり、自分自身にでもあ
る。昨日も仕事中おびえ疲れ、頭がぐし
ゃぐしゃになっていた。その時、笑顔で
『お疲れ様です!』と言ってくれたいつも
の優しい彼女。凍っていた心が、じわじ
わと溶けていくのがよく分かった。あの
時の彼女の笑顔は、私にとって神にも近
い存在だった。臆病者の私は、いくどと
なくこの笑顔という暖かさに救われ、う
つむいた顔を上げるのだった。
どこにも書けないこと
どこにも書けないこととは秘密のことだ
ろうか。秘密にしていたいことは、いく
つもある。でもあえてそのことは書きた
くはない。秘密は秘密だからいいのだ。
私は母に口が硬い方だと言われたことが
ある。嬉しいような少し悲しいような。
でもその口の硬さは、自分が忘れなけれ
ば守っていきたい。べらべらと辺り構わ
ず話すことは個人的に好きではない。自
分の秘密も守りたいなら知った人の秘密
もやたらに話したくない。それが人にも
自分自身にも信用されることであり、ど
こか誇らしくさえ思えるから。
時計の針
時計の針が戻せたなら、一体私は何がし
たいだろう。きっと1つになんか絞れや
しない。でも今だったら子どもの頃の私
に会ってみたい。会ってどうするのだろ
う。こうしなかったから、大人になった
私が苦労をしているだとか、子ども相手
に文句を言うだろうか。いや、たぶんそ
んな事はしない、出来ないと思う。子ど
もの私に罪はない。ただ遠くからその姿
を見てみたい。きっと泣けてくるだろう
なぁ....。色んな思いが、入り混じって。
時計の針が戻せるなら又、あの頃の子ど
もに帰りたい。
溢れる気持ち
できれば嬉しい、楽しい気持ちであっ
て欲しい。だが私の場合、どちらかとい
うと不安や絶望のような気持ちが合って
いる。そういう時は、とにかくつらいし
苦しいのだ。今すぐ助けて欲しいと願う
。でもそう簡単には、逃げられない。
苦しみぬいて、やっと少し希望の光が見
えたりもする。人生って、楽じゃない。
けれどそう悪くもないようにも思う。
Kiss
ある程度の年齢になると無縁の言葉のよ
うに思える。今さら若かりし日のドキド
キもないし....。でもだからこそこの言葉
、もう1度大事にしていきたい。年甲斐
もなくだなんて、片付けないで。私だっ
て、いくつになっても1人の女性なのだ
から。誰にも言われなくてもいい。私は
私でそう思い続けていきたい。そう、自
分にKissするように。