10/17/2022, 7:56:05 AM
『先生』
誰もいない学校の図書室が好き。
やわらかな光の当たる場所が
私の特等席。
君の名前が残る、古い本の貸し出しカード。
「あと10年早く生まれていたら同じ年だったのにね」
隣に座って一緒に読みたかったな。
#やわらかな光
10/16/2022, 12:04:08 AM
『私のこと好きですか?』
刺すような視線、無口な彼。
ねぇ、何を考えているの?
私のこと好き?
心の中でいつもループする。
鋭い眼差しに答えは今日も見えないまま
身体だけ繋がって虚しい。
#鋭い眼差し
10/14/2022, 10:33:03 AM
『お父さん』
父に最初に会ったのは、15の時。
背の高い、知らない人が
私に向かって「お父さんだよ」と言う。
私に父の記憶はない。
ただ、クリスマスには毎年願っていた。
「お父さんに会いたい」
父の横には小さな男の子。
彼は父を「お父さん」と呼んでいた。
私は「お父さん」と呼べないまま
1人になってから、子供のように泣いた。
#子供のように
10/13/2022, 3:50:58 AM
『何番目のボタン?』
「制服の袖のボタン1個、貸してくれない?」
卒業間近の先輩からのメール。
「ボタンが揃っていない」と注意を受けたらしい。
卒業式の前日の放課後。
理科室で学ランにボタンを縫う。
先輩は春から東京の大学に行くと話す。
卒業式が終わった放課後。
「ありがとう。助かった」
そう言って封筒をくれた。
開けるとボタンが2つ。
私の小さなボタンと先輩のボタン。
#放課後
10/5/2022, 7:42:07 PM
『叶うかは君次第』
君「流れ星が流れる間、3回お願いすると叶うんだよ」
ボク「金・金・金」
君「叶ったら、アイス1年分よろしくね。他は?」
ボク「君・君・君」
君「え?私?」
ボク「すき・すき・すき」
#星座