お題「天国と地獄」
死んだら
天国も地獄もない
輪廻もない
無に還る
私はそう思っている
だからこの人生の途中
生まれ死するまで
私がいたという痕跡を
何か残せたなら本望
お題「月に願いを」
最初に思ったのは
星じゃないんだ、と
願いをかける対象に月というのは
あまり耳慣れないと思った
しかし調べてみればあるもので
曲の題名だったり居酒屋名だったり
しっかり月は溶け込んでいた
月にはもう人類が足を踏み入れ
謎めいたその存在感は随分と薄らいで
ウサギもお餅をついてなく
願いをかけるには少し現実的に見える
それでも月に願わくば
きっと昔はいたに違いない
ウサギがついたお餅を食べてみたい
お題「いつまでも降り止まない、雨」
雨が降れば
途端に犬の散歩の難易度が上がる
濡れるのが嫌で抵抗する犬
どうにか連れ出したい飼い主
お互い譲らない攻防が始まる
あと半月もすれば、それは日常になり
空を仰ぎながら「今日も雨か」とため息をつく
まるでテジャブヴのような光景を
今年もきっと繰り返すのだろう
お題「あの頃の不安だった私へ」
確かに不安だった
不安しかなかった
だけど
終わってみれば
とてもあっけなかった
突然ガラリと生活が変わって
ひとりの責任がとても重くて
逃げたくて仕方なかった
それでも月日が過ぎれば
否応なしにその境遇に身を沈めてしまう
まるで今までもそうしていたように
普通に笑っているんだ
そして終わりが来たら
寂しくて、とても寂しくてたまらなくなる
後悔ばかりが浮かんでくる
だから不安だった私へ
たくさん泣いて
たくさん怒って
たくさん疲れても
その時間は心に残らない
後悔するくらいもっと欲しいと思うから
ダイジョウブ
お題「昨日へのさよなら、明日との出会い」
さよなら、と過ぎた時間にあいさつを
どんなだろう、とまだ知らぬ明日に思い巡らす
では、今日は?
昨日の過去にも
明日の未来にも
今の自分はそこにいない
今日があるから
今の時間を大切に
今があるから
昨日があり明日がある