『 相合傘 』
私達が旅行に出掛ける時
雨が降ることが多い
雨女と言われて『えー』と返すけど
実の所まんざらでもない
毎年京都に出掛ける用事がある
路地は人通りが多く
傘の扱いがなんだか上手くいかない
「こっち」と言われた
傘を畳んで隣に並ぶ
足並みを揃える
雨音も同じに聞こえてるであろう傘の中
心の中で思う 「肩濡れてるよ」
相合傘の響きの様に甘い感じでもないけれど
雨の心地よさをこんな所で感じたりする
あとで肩拭いてあげるからね
『 落下 』
小さい頃の記憶。
数人集まって火をつける。
一気にその場から離れ
何でか片目を瞑り、軽く耳を塞ぐ。
破裂音と共に空を見上げる。
眩しい青の中を必死で探す。
落下傘をキャッチ出来るのはだーれだ?
『 紫陽花 』
梅雨になるとよく色んな家の庭から顔を出していたりする。
そしてリトマス試験紙を思い出すのだ。
ここのはアルカリ性の土壌?とか。
酸性が強いから、こんなに青いのかな?とか。
あれ?リトマス試験紙って
アルカリと酸性の色逆だっけ。
なんて頭の中でぐるぐる···
だけど雨の日のその佇まいは
只々美しい。
わたしのお気に入りは中性色。
『 好き嫌い 』
過ごしやすいこの季節は、晴れた日の散歩も気持ちがいい。
自販機で飲み物を買い近くの公園のベンチに腰掛ける。
冷たい水はのどを潤し、優しい風は優しく肌を冷やしてくれる。
周りを見渡すとすぐそばに白い沢山の花が揺れている。
少しの罪悪感を感じながら、1本だけ摘んだ。
懐かしい気持ちで花びらを見る。
『 好き···嫌い···好き···嫌い··· ···· ····· ···好き 』
どうやら私の想いは実りそうだ。
数えただけの花びらをもう一度見つめた。
帰ったら、このマーガレットを花瓶に挿そう。
『 街 』
街と言うと華やかなイメージ。
昼は昼の賑わい。
夜は夜の賑わい。
人が沢山集まって毎日が巡っている感じ。
映画やドラマ、物語の中にあるものみたい。
だから、街に出掛けるって
ドラマがあるようなワクワク感を覚える。