【もしもタイムマシンがあったなら】
過去、未来どちらに行きますか?
私は過去に行きたい。
あの時、ああすればよかった。こうすればよかった。
そんな後悔ばかりだから。
私が私のことを嫌いだから、
少しでも自分に自信が持てるように
過去をやり直したい。
戻れるなら、高2かな。
両親の仲が最悪だった頃。
修学旅行に行く前日、両親がピリピリしてて、
修学旅行から帰ったら、離婚が決まってた。
もうどうしようもなかった。
この時に戻っても、私は何もできないかもしれないけど。
もしくは小学校高学年頃。
友達だと思ってた子達にいじめをうけてたころ。
少し大きくなって、いじめの理由は「なんとなく」。
マンガやドラマに影響されたみたい。
靴がゴミ箱に捨てられたり、元々あまり交流がなかった子からも明らかに避けるような態度をとられたり。
あの時は家族にも相談できずに1人で耐えた。
少し経って、登校前に必ずお腹が痛くなり、学校を休むようになった。母親に『いじめ』を受けてることがバレ、担任の先生に親から相談したようだが、状況は変わらなかった。
あの時、負けずに学校に行ってたら、もしかしたら何かが変わってたかもしれない。
現実的にはタイムマシンなんてないから、過去に戻ってやり直すことなんてできない。でも過去を忘れることなんてできないから、心に傷を負ったまま、前を歩くしかない。
未来の私は幸せに笑ってるんだろうか。
【今一番欲しいもの】
1人の時間。
お気に入りの本を読む。
スマホを見ない。
何も考えない。
ぼーっとする時間。
【私の名前】
両親が私にくれた1番最初のプレゼント。
『みんなから愛されるように』
という意味が込められてつけられた名前。
学生の頃、同じ名前、似たような名前の子が多く、在り来りな名前なんだなと、そこまで自分の名前がすきになれなかった。
社会に出ると、下の名前で呼ばれることが減り、名字で呼ばれることが一般的だろう。
私の職場では、下の名前を呼び合う。すごくアットホームな雰囲気で、なにかあればすぐに相談できる。下の名前で呼び合うだけで、職場の空気感が変わる。
いい名前だね。って褒めてもらうたびに、私の名前が宝物になっていく。
【視線の先には】
私の視線の先には、窓際で授業を真面目に受ける貴方がいた。髪は黒、少し長めの前髪で目元は隠れてることが多いが、たまに見える薄茶の瞳。授業を積極的に参加してるのは見たことがないが、成績は超優秀。体育でも、どの種目でもカッコつく程度にはできる。
授業以外では、2人の友人と静かに過ごしてる。どちらかというと地味なタイプ。
そんな彼は私の幼馴染。小さい頃からの私の初恋の相手だった。でも彼を毎日見てるからわかる。彼の視線の先には、私ではない、誰かがいることを。
【遠い日の記憶】
真っ白な光の中、暖かい手が私を包み込んだ。優しく抱きしめてくれてた。けど顔は見えない。でも分かる。たぶんこの手は―、
アラームの音で目が覚める。いつもは寝起きが悪いけど、今日は何故か気持ちよく起きられた。コーヒーを2つ入れる。
「おはよう」
1つは仏前へ。飾られてるのは1枚の写真。幼い私を抱っこしながら微笑む母の姿。いつも優しく、料理が上手だった母。朝、時間がある時にはこうやってコーヒーを2ついれる。
今日はお供えするお花を買ってこよう。母が好きだったひまわりにしようかな。
幼い頃、毎年夏にはひまわり畑に行っていた。私より背の高いひまわり。いつも行くその畑は、ひまわりが迷路のように植えられていて、母の手を引いてひまわりの中を探検した。たくさん写真を撮ってくれ、私もひまわりが1番好きな花になった。
まだそのひまわり畑はあるんだろうか。今度の休みに行ってみよう。母が使っていたカメラを持って。