白い息を吐きながら、まだ暖かくないこたつの中に足を入れる。
私は自分の足の裏を擦って暖かくしている。あなたも自分の足の裏を擦って暖かくしようとしている。そうしてまだ赤い頬を自分の手を当てて暖かくしているあなたが可愛くて、叶うならば私の暖まった手で暖かくしてあげたい。そんな気持ちを抑えてあなたを見る。
ああ、どうか神様、私の願いを叶えてくださるならば、自分の好きな人と一緒にお互いを暖め合いたい。
私が中学生の時の話です。
私はバレーボール部に所属していました。その時から部長と副部長とは仲が悪くギスギスしておりました。
ある練習試合の時です。明らかに私のことを二人でコソコソと話しておりました。そして聞いてしまいました。
ヨハネって塾行っているくせに頭悪いよね。と。
もちろんむかつきました。文句を言ってやろうかと思いました。でも言いませんでした。言えなかったのです。何故なら私は怒ると語彙がなくなるからです。
そして今私は高校生です。私のことを馬鹿にしたあの子たちは偏差値35の高校に進学し、私は偏差値60の高校に進学しました。
果たして私は本当に馬鹿なのでしょうか?
僕は学校でいじめられてる。いじめられている理由はわからないけどキモいらしい。
今日も教室でライトノベルを読む。
今日もまるめた紙を投げられる。
僕は気にしない。自分が惨めな気分になるから。
笑い声はBGMだ・・・そんな事を考えてたらBGMが消えた。びっくりして顔を上げる。目の前にギャルがいる。ライトノベルを面白そう、と言っている。他にも何か言っているけど聞こえなかった。顔が熱くなる。ギャルが何か言ってる。
顔が熱くなる。はっ、これは風邪だ。きっとそう。
最近の空はいつも青くて気持ちがいい。清々しい色だが私のいる地域では雪が降らない。最後に雪が降ったのが中学校三年生の時。今はもう友人ではない女の子に誕生日プレゼントを渡した時、お互いのマフラーのついた雪を見て、雪だ!と叫んだのを思い出す。お互いの頬が赤く染まりながら笑顔になる。そんな笑顔が嬉しくて眩しくて、もう一回見たくて雪を待つ。
あの時の女の子は今はもういない。いるのは僕の隣に白いドレスに身を包んだ美しいあの時の彼女だ。