たやは

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9/16/2024, 11:11:15 AM

空が泣く

今にも泣き出しそうな空模様だ。今日は午後から雨だと朝の天気予報で言っいた。お天気お姉さんの言う通りとなった。傘を持ってきたからそんなに濡れずに帰れるだろう。でも私の気持ちは憂鬱だ。

彼女は泣いていた。
たしかにに泣いていた。

高1の頃から、彼女が東くんのことを好きなのは知っていた。なんだったら友達として応援していたのも事実だ。それなのに、東くんに告白されたは私だった。少し人見知りのところがある彼女のためになればと、東くんに事あることに話しかけたり、部活の見学に2人で行き、声援を送ったりしていたが、まさか私が告白されるとは思ってもいなかった。

どうしよう。

もちろん告白の返事は「ごめんなさい」だったが、それで彼女との友達関係が以前のままなはすがない。

どうしよう。

彼女は私が告白されたことを知っている。どうして、あの告白の場所に彼女がいたのか。魔が悪すぎる。

どうしよう。

明日、彼女に何て話しかけたらいいのか。
いや、今日のうちに何かメッセージを送っておいた方がいいか。何て送ろう。
ダメだ。考えていたら気持ちが悪くなってきた。寝てしまおう。現実逃避だ。

次の日学校へ行くと彼女の周りに何人かの女子が集まっていた。教室に入ると悪意のある視線がいくつか私に向けられていた。
これヤバイ奴か。

「よく平気な顔して学校に来れるわ。」
「仲取り持つ降りして、自分をアピールしてたとか。最悪じゃん。」

はぁ~。
まあそうなるよね。
女子の中心で彼女は泣いていた。ハラハラと大粒の涙を流しながら泣いていた。
本当の涙だと思った。そんなに好きだったのか。でも私のせいではない気もする。
仕方がない。ほとぼりが冷めるまで様子を見ながら過ごすしかない。

あれから2週間が経ったが、私の立場は良くはならなかった。体育館の裏に呼び出されることはないが、私はいわゆるボッチとなった。
ホームルームも終わり下駄箱まで来た時忘れ物に気づき教室に戻った。教室のドアに手をかけようとしたら、教室のなかっから話し声が聞こえた。

「おい。あんなことして良かったのかよ」
東くんだ。
「あんなことって何?私があの子嫌いなの知ってるでしょ。東くんが協力してくれて良かった。こんなに上手くいくなんて思ってなかった。だいたい、あの子、生意気なのよね。私たち友達なのなんて思ったこともないし、本当に嫌いなのよ」

え!
何?何の話し!

私たちは友達だった。いつも一緒にいて、お弁当を2人で食べ、いっはい話しもしたし、笑い声が絶えなかったはずだ。
彼女は私が嫌い。それ、どういうこと。
頭が回らない。意味が分からない。

「やり過ぎただろ。おまえ。あんな空泣きみたいなことまでしてさ。」

空泣き。つまり嘘泣き。あの涙は嘘泣きの涙なんだ。
私は騙された。そんなに私のこと嫌いだったのか。
高校を卒業するまであと3ヶ月くらいあるけど、彼女と前のように友達でいることも
誰か新しい友達ができることもないだろう。でも、もし何年か後に彼女に会ったらどうして私を嫌いか聞いてみたい。
彼女に今は聞く勇気がない。

また雨が降りそう天気。今にも空が泣き出しそう。空が泣く。私の心も土砂降りだ。


9/15/2024, 11:04:17 AM

君からのLINE

定時に仕事が終わり、帰宅するためにバスに乗る。バスは混んでいて座ることはできないが、駅までならそれほど時間もかからない。駅前のバス停でバスを降りると君からのLINEに気がついた。 

「ビールない。買ってきて。」

それは一大事。宅飲みできるビールがなければ今日1日が終わらない。仕事の疲れがあっても、コンビニに寄ってビールを4本買ってから帰る。

君からのLINEに気づいて良かった〜。
気がつかなければ、今日はビールなしになるところだった。
良く冷えたビールを飲み、君の作った料理を食べ、僕の1日はゆっくり、ゆっくり終わっていく。

小さな幸せ。
バンザイ。

9/14/2024, 10:49:55 PM

命が燃え尽きるまで

命が燃え尽きる。
それは死を意味するのだろうか?
時間とともに誰にでも平等にいつか訪れるもの。
命が燃え尽きるまで、ずっと戦い続けるのは辛いから時々は休憩しながら、あなたと2人で静かで穏やかな生活をその時が来るまで送っていきたい。

9/13/2024, 7:11:44 PM

夜明け前

夜勤が終わる夜明け前。
身体的にも精神的にも自由になるまであと少し。やっと解放される。

頑張れ。頑張れ。

と自分に言い聞かせ、朝日を眺めながらボーとする短い時間。

昨日の夕方からひっきりなしに聞こえてくるサイレンの音。救急車かパトカーか、はたまた消防車か。このサイレンは運命の別れ道だ。

プルプル〜

◯◯救急です。交通事後の方で右足に痛みあります。足を動かすと痛みが強くなるため、一時的に固定をしています。
バイタルは…。

こんな入電ばかりだ。
夜間は本当にいろいろな人がやって来る。
鼻血が出て止まらない。お腹が痛い。
手をスライサーで切った。子供の熱が下がらない。お風呂で転倒した。

重症者から順番に診ていくが、待つのは辛く苦情も多い。苦情対応も仕事の1つだ。
それでも、「夜中に悪いねぇ。ありがとう」なんて言葉を貰えれたら「これからもがんばろう」と思える。自分って割と単純だ。
緊張の連続で責任重大な仕事だけど、その分やりがいのある仕事だ。

9/12/2024, 6:51:57 PM

本気の恋

走る。走る。走る。

捕まったら殺される。逃げなきゃ。
私と八十吉さんは手に手をとって冬の夜道を走りだす。手足が凍えるように冷たく、上手く力が入らないが立ち止まるわけにはいかない。遊郭からの足抜けは重罪だ。
でも、あなたがいれは大丈夫。このまま命が尽きたとしてもあなたと一緒ならどんなことがあっても大丈夫。
だから手を離さないで。
これは最初で最後の本気の恋だから。

「足抜けだー!」

たしかに、お前は花魁を務めるくらいのいい女だ。それでも、お前を身請けするには店を潰すほどの金がかかる。親から受け継いた店を潰すわけにはいかないし、お前と心中なんてできるわけがない。まだ死にたくない。
遊郭からの足抜けは重罪だ。
だから、手を振り払う。
お前が勝手に足抜けして池に落ちた。
ただそれだけた。俺には関係ない。

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