狭い部屋

畳の床

薄暗い蛍光灯

ふかふかの布団

綺麗な虫たちの合唱

こんな田舎みたいな暮らしっていいよね

次の休み実家帰ろうかなー


〈狭い部屋〉

今日私は失恋をした

好きな人がいるからだって

初めての告白が失恋って悲しいなぁ

まぁそんなうまくいくもんじゃないもんね

周りはリア充ばっか

いいなー

恋愛に興味のない友達が言う

彼氏いると疲れない？

デートとかめんどいじゃん

めんどくさい彼氏だったら

男と話してるだけで嫉妬するみたいなのいるやん

そういうのだるい

だったら、そんな奴より友達といる方が楽しくない？

あんたみたいにさ

私といつまでも一緒に居てくれる友達あんたしかいないから

彼氏は作りたくないんだよねー

確かに友達といる方が何も隠さなくていいから楽だ

カラオケ行かん？

行くー！

君との付き合いまだまだ長くなりそうだよ


〈失恋〉

「正直さ、あいつ嫌いなんだよね」

「わかる！私も無理ー」

「うわっこっちきた！」

いつもみんな私の陰口ばっかり

聞こえてるんだけどね

家が貧乏だからってだけで

なんでこんな言われなきゃいけないんだよ

でもこれは私のせいでもないし

両親のせいでもない

あいつらが悪いんだよ

口を開けば私の悪口

どんだけ暇なんだよ

そんなん言う暇あったら

勉強しろよ

今日こそ言ってやろう


あのさ



「正直さ、私もあんたらのこと嫌いなんだよねw」




〈正直〉

梅雨は嫌い

夏は好きだけど

湿気がすごくて蒸し暑い

相合い傘とかできるけどね

相手がいなきゃ意味ないよ

それに

最悪な思い出が頭をよぎる

私には好きな人がいて

絶対脈ありだと思ってたのに

他校の女の子と手を繋いで歩いてるのを見た

その瞬間泣き崩れた

とにかく心が痛くて

泣きわめいた

制服に泥がつく

ぎゅっと握りしめる

破れる程に

傘なんてどっかに飛んでいってしまった

でもそんなことどうでもよかった

私はこんなにも愛していたのに

「彼女いるの？」

「いないよwこんな奴にいると思うか？w」

そんなこと言ってたのに

全部嘘だったんだね

逆にあんな嘘つきに恋してたなんて馬鹿みたい

もうやめやめ

こんなこと引きずってても意味ないしね

梅雨を好きになればあの事も忘れられる

今日は雨の予報

傘をさし

上着を着る

そしてあの頃の思い出を唄と共に雨に消し去る



〈梅雨〉

君はいつも天気の話をする

「今日は晴れだね。晴れと言えばさ」

君と話すのはとても好きだけど

天気の話は正直つまんない

「ねぇ聞いてる？」

君は僕の顔を覗き込む

綺麗な瞳に吸い込まれそうになる

君はニコッと笑う

こんなおちゃめなところが好き

でもさ

「僕の話も聞いてよ」

君は不思議そうにこちらに顔を向ける

「何？」

僕が話したいのは


君なんだ



「え？」

あぁホント鈍感




〈天気の話なんてどうだっていんだ。僕が話したいのは、〉