3/15/2023, 11:31:36 AM
彼は星に詳しかった。
私は彼に星を教えてもらうのがとても好きだった。
私が
『あれは?あれは?』
と聞くと、少しめんどくさそうに
『あれはな、、、』
と、ひとつひとつ丁寧に教えてくれた。
星を見るのは好きだが、星を教えてくれる彼の横顔も好きだった。
でも、ある日突然彼は星を教えてくれなくなった。
いくら聞いても
『前にも教えたで』と、返すだけだった。
私は我慢できず彼になぜ教えてくれなくなったのか問いただした。
彼は、『俺が知ってる星を全部教えたら、なんかお前がおらんくなる気がする』と頬を少し赤くしながら言った。
その日以降、彼が私に星を教えてくれることは二度となかった。
ねぇ、見て。
空にはまだこんなにも知らない星が溢れてる。
全部教えてないくせに、勝手にいなくならないで、
あの溢れてる星の中に
あなたは、、、、いますか?
(星が溢れる)