降り止まない雨
傘の意味がないほどに私を濡らしていく。
このままこの街ごと流して、綺麗にしてくれないかしら。

あの頃の私へ
“あの頃”と呼べる日が来たこと、嬉しく思います。案外人生は何とかなるもので、あの子と離れた今も私は生きているよ。あなたが今抱えている思い出を糧に。
これから記憶を大切にして、ここまでおいでよね。

私たちは離れた。必然だった。私と貴方、随分と違うから。
逃れられない
運命の果て、私たちが一緒に過ごす未来は存在するのでしょうか。

また明日
そう言えていた日が懐かしいね。今はもう、またいつか、になってしまった。いつか、でも会えるのならそれでいいよ。いつか、また明日、って言えるようになろうね。

少し前まで、私たちはみんな
透明
だった。見えない羽を持っていた。蝶、鳥、天使……
年齢を重ねてゆるやかに世間に染まるうちに、羽は刈り取られて、透明な人を”多様性”としか見れなくなっていった。
濁ってしまった私たちはもう、透明には戻れないのかしら。