【フラワー】
フラワーロード、と呼ばれる場所に行ったことがある。
一面花でいっぱいの道。通り道が狭くてよろけて転けてしまえば、花たちが散ってしまう。
綺麗だが人の目が沢山あったということもあり一度のミスも許されないような気がして、私は苦手な場所だったな。
…今の世間みたいだと感じたせいか、余計に苦手な場所だったな。
【新しい地図】
地図を見ながら歩いていたら、何故だかわからないが知らない場所へ来ていた。
地図にも示されていない。
もしかすると噂でよく聞く秘境なのかも知れない。
ああ、いや、僕の地図がなくなった祖父のものだからか。
…新しい地図、買わなきゃいけないな
【好きだよ】
「好きだよ」
「…うん、私も。」
私には、わからない。
人を恋愛的に好きになる感覚が。
私がおかしいのは重々承知している。
昔に一度だけ友人に話したことがある。
恋愛的に好きになるというのがわからない。理解ができないと。
それを聞いた友人には「おかしい。」「あなたが変なだけ」と言ってた。
友人はいろんな人を好きになる人だった。男の人も、女の人も、人間であればどんな人でも好きになり浮気して別れ、また別の人と付き合っては別れ、を繰り返していたような人だった。
失礼だが、世間一般的にも彼女が人としてダメなことをする人であるというのはわかっていた。
そんな彼女に「変だ」と言われたなら私は相当変なのだろう。
だから私は人を好きになれない、という事実を隠して生きることにしたのだ。
ただ隠すためには誰かと付き合い、関係を持たなければ早くにボロが出るだろう。そう考え、告白されれば付き合う、別れようと言われれば何も言わず別れる。を繰り返していた。
思ってもないことを言い、恋人同士がするであろうスキンシップ、したくもない営み。
なんのために私はこんなことをしているのだろうか。
今付き合っている人を含めたら6人、彼氏ができた。
それでも一回も好きだという気持ちを理解することはできなかった。
いつになれば私は、"普通"の人になれるのだろうか。
まぁ、いつかはなれるだろう。
そのなれた時はきっと、私は壊れていると思うけど。
【桜】
桜、桜、桜、桜。
あたり一面に広がる桜の木だけが並ぶ道。
あと何回この景色を見られるかな。
【君と】
話したい。
遊びたい。
笑い合いたい。
支え合いたい。
一生一緒に居たい。
愛し合いたい。
君以外なんて考えられないんだよ。