命はどこから来て、どこへ行くのか。
私は何者で、なぜ生まれてきたのか。
生きる意味は。
【この世界は】謎に満ちている。
笑った顔が好きだ。
楽しいとき、嬉しいとき、きみが笑う。その笑顔が好き。
きみは嫌がるかもしれないけれど、泣いた顔も怒った顔も俺は好きだよ。
きみが俺に見せてくれる全ての表情が、いとおしくて仕方ない。
【どうして】そんなにかわいいの?
夜半、肌寒さを感じて目を覚ました。まだ夜は深い。
毛布を引き寄せ、ごろりと寝返りをうつ。
いつもはふたりで寝ているから、ひとりのベッドは広く感じる。
隣にあなたの温もりがないことがなんだか寂しくなって、もう一度目を閉じた。
今日は夢の中で、あなたに会えますように。
【夢を見てたい】あなたがいない夜
彼と付き合い始めてから気が付けば五年が経っていた。なんだかんだ居心地が良くて、別れる理由もなく、もう五年。
穏やかに愛を育んできたと言えば聞こえはいいが、二人の関係に恋人以上の進展はないまま。彼がどう思っているのかは、分からない。
恋人であることに満足していたし、彼を失うのが怖くて、今まで結婚の話をしたことがなかったから。
けれど、付き合い始めた頃二十代前半だった私も、五年も経てばあたりまえだがアラサーだ。三十代の足音が着実に近付いてきている。
彼とのデートに心踊らせて、彼と過ごす時間に幸せを感じては、「この時間がずっと続けばいいなぁ」なんて彼に甘えておとぎ話を語る時間はとうに過ぎた。時間は刻々と過ぎていくし、私も彼も年を重ねていく。結婚しない選択だってできる時代なのは分かっているけれど、私は結婚もしたいし子どもだって欲しい。
だったらそろそろ、進むにせよ別れるにせよ、このぬるま湯に浸かっているような曖昧な関係に白黒つけたいと思ってしまった。
私の隣で、テレビを見ている彼に、怖くて今まで何度も飲み込んだ言葉を今度こそ!
――私の願いが叶うなら、大好きな彼と家族になれたらいいな。
「ねえ、私たちの関係って」
【ずっとこのまま】?
疲れとともに吐き出した息が白い。
寂しいのは、寒さのせいか。
もう夜も遅いけれど。少しだけでも、きみの声が聞きたいと思った。
【寒さが身に染みて】きみのことを恋しく思う