「愛があれば何でもできるよ」
『そんなことないよ
愛以外にもなきゃ駄目だろ』
彼はどうしてそう思うんだろうか
私が可笑しいのか。
愛があればなんでもできる
そう思っている私だ
バカバカしいのか
彼は少し笑いながら答えていた
『愛は続くものじゃないかもしれない
けど、その記憶は永遠に続く』
「愛に悩むことはない
愛することで
器の大きな人間になるのだ」
『愛は決して失敗しない
人が失敗するのは
愛を求める勇気がなかったからだ』
「愛することで人間は
自分自身を発見する。
愛されることで彼らは
自分自身を完成させる」
愛は偉大な力であり
人々を
我らを
人間らしい存在にしてくれるのだ
『後悔したことってある?』
「そりゃあもちろんあるとも」
『私もあるよ〜』
彼女はゆったりと
いつも通りに喋っていた
何を言いたいのやら。
『後悔したことって言える?』
まぁ言ってもいいだろと私は思った
「小学校のときの友達の事を少しでも
助けてたらもう少しだけ長く一緒に
いられたのかなって思ってる」
『あーね
私も似たことあるよ』
暗めの話をかけてしまった
彼女も私も少し気まずい空気の中だ
『中学の頃の友達と遊んでたら知らな
い男の人に刺されちゃったの。
あの時私が前にいたらなと思った』
なにも言えなかった
少し雨が降ってるのかな
冷たいな
『暗い話持ちかけた私が悪いけど、
また一緒に遊ぼうね』
彼女の方にも雨が降ってたらしい
雨が止むといいな
後悔はいつも傍にいる
«僕たちに身を任せてよ»
どこからか聞こえる
どこからだろう
誰?
«大丈夫さちゃんと運んであげるから»
風の音かしら?
葉っぱがかすれる音?
「お願いするわね」
«皆いくよー»
その時私の後ろから強い風が吹いた
だけど優しくも感じる風だ
温もりがあるような
あっという間に外に出た
横から葉っぱが舞って飛んでいった
«もう迷い込んじゃいけないよ»
有難う
とても気持ちよかった
でもまた会えるならこっそり
入っちゃいたいかな
怒られちゃいそう笑
風に身を任せるのもいいなって思えた
お菓子食べたいな
作ってもいいけど
メイクしたいな
きれいにできるかな
ソファーでゴロゴロしたいな
テレビなにあるかな
もうすぐ料理作らなきゃ
でも出前でもいいかな
漫画読みたいな
一瞬で時間が流れてくかな
おうちじかんでやりたいこと
たくさんありすぎ
結局一日寝ちゃう
おやすみ
『子供のままでいたいな』
彼は何故そう思うのか不思議だった
何時しか誰しも大人になるのに
子供のままではいられないのに
『お前が羨ましいぜ
ずっと子供のままで』
彼はなにを言ってるんだろ
彼は私と同い年のはずなのに
両思い中なのに
『最後に言いたかったなぁ
でもまたいつか逢えるしいいのか
でも悲しいな』
彼は訳がわからないことを言いながら
少し悲しそうな表情をしていた
彼には聞けなかった
『まだ若かったのになあいつ
まあその分俺が生きてやるか笑』
嗚呼
そっか私
子供のままだったんだ
なんで気づかなかったんだろ
また逢えるかな
またね