─── 空が泣く ───


さめざめと泣いてる日は
お気に入りの傘をさして

─── 君からのLINE ───


もう受信しないし
既読を付けることもないよ

アンインストールしたから

─── 命が燃え尽きるまで ───


肉体も骨も燃えるけれど命は繋がり生きていく

─── 夜明け前 ───


本棚の前に立ち今夜読む本を選ぶ
お気に入りの茶葉で紅茶を淹れ
灯りは蝋燭だけ

少し肌寒くなってきたから
去年編んだブランケットも羽織る

なんとなく昼間は違う気がして
読書はいつも夜にする
しんと静まり返った
誰にも邪魔されない私だけの時間

夢中になるのは素敵な事だけど
夢中になればなるほど時間が過ぎるのも早い

気が付けばもう東の空が明るくなりそう
その瞬間が一番静かで

一番美しくて一番悲しくなる

─── 本気の恋 ───


一目で心を奪われ
初めての感情に戸惑った
とても痛くて苦しくて熱っぽくて
気が狂ってしまいそう

いっそ狂ってしまった方がよかった

私の名前を呼んでくれない
髪を優しく撫でて指で梳ることもない
強く抱きしめてももらえない

生きてもいない
死んでもいない

私は

色褪せかけた肖像画の中で微笑む貴方だけを
永遠に愛することを神に誓います